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三銃士ならぬ三動詞(動詞の結合で意味づくり)

高山宏さん。意表つく切り口からその「異貌」を明らかにする博覧強記の「学魔」。英文学から博物学、美術、建築、庭園、映画、ファッション、漫画、江戸戯作に至るまで、縦横無尽に渡り歩く怪人だ。彼の著書に『殺す・集める・読む』がある。近代が生んだ発明品「推理小説」。これを文化史的視点から読み解く。かの有名な探偵、シャーロックホームズが登場するのでとっつきやすい。さて、どうしてこの三つの動詞を選び並べたのだろうか。組み合わせたと言ってもいいだろう。なぜなら、彼はマニエリスムや結合術に明るい人だからだ。何かを謎や暗号として感じとる感受性。それを解くためにいろいろな知識を動員し、他人にはできないつなげ方で情報をつなげる解決法。真の知的快楽。そう微笑む「学魔」がいる。推理小説は気晴らし装置。巻末の解説で「この本はきみが謎を解く事件だ」と挑みかかる。気後れずに、三つの動詞の意味合いを謎解くのもまた一興だろう。

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