【#ビタミンF】花贈りと笑顔の科学、花の日によせて (過去記事転載)
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この記事は名港フラワーブリッジHPブログより筆者がピックアップ・転載しています。
まだまだ沢山の記事がございますので、ぜひのぞきにいらしてくださいね。
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花を思いがけずもらったときのぱあっと咲くような笑顔は、見ているこちらも嬉しい気持ちにさせますよね。
実は科学的にも、花束のプレゼントは受け取った人を「心からの笑顔」にすることが分かっています。
〇2005年、ラトガース大学
これは#ビタミンFのポスターでも紹介されている研究です。
この研究では、3つの実験で被験者に花を贈り、心やコミュニケーション、記憶力に与える影響を調査しました!
1つ目の実験では、花を贈られた女性は心からの笑顔(デュシェンヌスマイル)になり、贈られたその後もポジティブな感情が保たれました。
2つ目の実験では、男性が花をもらった場合でも女性と同様の効果があり、花はコミュニケーションを促し
人と人との距離を物理的にも近づけることが分かりました。
またこれらの2つの実験では、花は食べ物やペンのプレゼントよりも心からの笑顔が見られています。
(デュシェンヌスマイルのイメージ)
3つ目の実験では、シニアの方への花贈りもやはりポジティブな感情を引き出し、一時的な記憶力さえ上がることが分かりました。
花を受け取ったシニアの方たちはいたくプレゼントを喜ばれたようで、研究者へ花の写真や感謝の手紙を送ってこられたそうです。
「今まで心理学の実験をしてきて、ハグやキスをされたり、ましてお礼の手紙をいただくなんてことはなかった。」
と著者は語っています。私も論文を読んでほっこりしたのは初めてです。
お花はそもそも人間にとってポジティブな印象のものである、ということも示唆されています。
(蛇の写真=ネガティブなもの、花の写真=ノーマルなもの として写真を見せたところ、
花を見せられた人たちは微笑む時に動く筋肉を使っていた。
そのため、花がポジティブなものであることがたまたま分かってしまった)
おまけにこんな面白い研究もご紹介しましょう…
〇2012年、南ブルターニュ大学
この研究では、花がある部屋で動画を見せられた女性は、男性への評価(ルックス・異性としての魅力・デートの誘いに応じたいか)が変わるのか?を調査しました。
1つ目の実験では、花がある部屋で動画を見た女性は、動画に出演した男性をより高く評価しました。
2つ目の実験では、花がある部屋で動画を見た女性は、そのあとに話した男性に電話番号を渡しやすくなりました。
また別の研究では、ショッピングモールで男性が女性に声をかけた場合、
お花屋さんで声をかけた時に最も女性が電話番号を渡しやすいという実験結果も。
花がある環境では女性の気分がよくなるから、というのが理由として考えられるそうです。
相手を笑顔にし、ご自分の魅力さえアップさせるかもしれない花贈り。
花を贈る季節のイベントはあまりない8月ですが、8月7日は「花(87)の日」です。
「今日は花の日らしいから…」と理由をつけて、何でもない日のプレゼントをしてみるのもいいかもしれませんね。
参考文献
J Haviland-Jones et al.,An environmental approach to positive emotion:Flowers Evolutionary psychology 3,no.1-4 (2005):104-32
Dimberg, U. and Thell, S. ,Facial electromyography, fear relevance and the experience of stimuli. Journal of Psychophysiology(1988), 2: 213–219.
Nicolas Guéguen,‘‘Say it with flowers’’: The effect of flowers on mating attractiveness and behavior Social Influence Volume 6, (2011) – Issue 2 :105-112
Nicolas Guéguen,“Say it … Near the Flower Shop”: Further Evidence of the Effect of Flowers on Mating The Journal of Social Psychology Volume 152, (2012) – Issue 5 : 529-532