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【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~

第三章 苦痛の葬送曲(レクイエム)
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 ここまでに行って来た改変の説明を終えたロットが言う。

「正直ここまで予想と違う結果になるとは思いもしなかった…… 特に聖女や聖戦士が天敵である悪魔と手を組んでパーティーを結成するなど、想像すら出来なかった事だ……」

 アスタロトが不思議そうな顔をして呟く。

「何故だ? 世界のピンチとかだったら今の我々の様に力を合わせる可能性も考えられるでは無いか? お主ら馬鹿だったのだな、残念な奴らだ」

 ネヴィラスが自らの主人に答える。

「我が君、今我々が皆で力を合わせている切欠きっかけは、あくまでもコユキ様善悪様に揃ってお会いしたからに他なりません…… 光影殿と組んでいた前回迄のコユキ様からは、魔神王ルキフェルの後継、それも半身だとは気が付けなかったのですよ、きっと」

「? そうなのか? ならそうなのかもな、我は分からん」

 堂々と返すアスタロトはやっぱり脳筋であった。

 バアルが補足を加える様に頭の悪い弟に教えてあげる。

「そうだよ、前回の輪ではこのオルクスだってコユキ姉様と善悪兄様の二人が、敬愛するルキフェル兄上だとは気付かなかったじゃないか、わらわやアスタだってコユキ姉様のカギ棒で斬られて初めて理解出来たじゃないか? その上闘って殺そうとまでしちゃったし…… ぶるるっ! 思い出しても鳥肌だよ! だからレグバ達だって今回初めて知ったんじゃない? 二人がルキフェル兄上だって事をさ、違うかな?」

 フェイトがバアルに頷いて返した。

「その通りなのです、アスタロトが地上に連れ出された後、魔界にまことしやかに囁かれ始めた噂、『ルキフェル陛下復活! アスタロト様合流か?』を不定期で購読していた週刊誌の記事で目にしましてな、ピンッと来たのですよ、前回の輪でオルクスがサタンに言った言葉は真実であった、とね…… 『貴様は断じてルキフェル様ではない』がいよいよ真実味を帯びて来た訳なのです! それで万が一ルキフェルがこの世界に居た場合に備えてかつてより打ち合わせて決めていた、『マジモンのルキフェルが居たら事情を説明して頼もうよ? 北から順繰りに呼んで貰って説得だね』作戦を、私の独断で実行し始めたのです…… そこなるウトゥックのラビスに伝言を伝えて貰う事で……」

 ラビスは頷いていた、というか大体いつも頷く様な首の動きしか出来てはいなかった。

 トシ子が唸るように言った。

「週刊誌…… 読みたいのぅ」

 この発言は全員が無視して話の先を促したのである。

 促されたフェイトは発言を続けた。

「私が想像した通り、コユキと善悪はアスタロトに続けてバアルまで仲間に加え、その上で私が暮らす北海道に迎えに現れたのです…… 私の予想は確信に変わった、コユキと善悪こそ、当代の創造神、ルキフェルその人であると……」

 フューチャーが言葉を引き継ぐ。

「コユキに伴われてこの寺に来た私にフェイトは心の内を明かしてくれました、コユキと善悪こそが救世者なのでは無いか、戦いによる勝利ではなく、違いを乗り越えて協力していく為の象徴では無いのか、と…… 私は即座に同意しました、そして言ったのです、彼女とその相方、善悪のガッツならばこれから起こる未曽有みぞうの危機をきっと突き抜けるだろう、格別のガッツで、とね」

 デスティニーはどこか自慢げな口調である。

「俺ちゃん位になるとさ、もうここに来る前に決めてたよね! 干し柿のくだりでグッと来ちゃったからさ! 二人と顔合わせた瞬間に言ったよ? 俺下りた、一抜けヨロってな! そしたらこいつらも同じ気持ちだって言うじゃん? まさか、リーダーのロット一人がかたくなにコユキと善悪を消滅させよう、そこにこだわっていたなんてチョーショックだったぜ? 酷くね、って思ったよ?」

「蒸し返すなデスティニー! もうその未来は無しになったんだからな、これからどうするか、それを皆で決めようじゃないか?」

 ロットは冷静さを取り戻したようだ、流石はリーダーである。

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拙作をお読みいただきありがとうございました!

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