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堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~

第二章 暴虐の狂詩曲(ラプソディー)
366.聞き耳を立てる

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 そんなコユキのドグマなんか知らないままで、善悪はくだんの昔馴染みに電話をするのであった。

「…………あ! お久しぶりでござるぅ、突然電話して申し訳ないのでござるが~、うん、うん、えっ! 分かるでござるかぁ? そうそう! 幸福でござるよぉ! 結城ユウキ氏元気だったでござるかぁ! え、そうなの? ふんふん、えーマジで? それって…… ああ、そう言う~! んでも皆元気なら某は嬉しいのでござるが~、実はね、無理なら無理って言って欲しいのでござるのでござるが、えっと、狼のね…… うんうん、そうそう! 牙を剥く野獣のね、そう、狼なんだけどさ…… うん、白と黒ってあったじゃない? それの茶色って言うのかな? 柴犬ぽいっ感じの…… そうそうっ! あれって? うんディンゴだよね? それは持っているんだけどさ…… 大陸狼で茶色って無かったよね? 確認されていない? うん、それは分かっているんだけどさぁ、何とか出来ないかなって…… あー、うんうん、一般発売は無理だって言うのは分かるんだけどね…… えっ! 分かるでござるよ、そうそう、分かっているよぉ? その上で、それが分かった上でね? 茶色の狼って出来ないかなって、うんうん、勿論オリジナル、オーダーメイド価格の支払いは、え? いやいや払うつもりで…… 結城氏…… そこはそれ…… いやいや払うでござる! 何と言われようと払わなきゃ! うんうん、払うから、いやいやいや、友達は友達でござるよ、でもそれとこれとは…… もう! 頑固でござるなぁ! そういうとこって嫌われるでござるよぉ! んまぁ、そこまで言うなら任るでござるが…… え? いやいやいや、だ・か・ら、タダはおかしいからさ、え、え、んじゃこっちも出来栄えで目一杯払っちゃうかもよ! それでいいノン?  で、ござろ? ほらぁ! んだから、原価、作業代、適切な利鞘りざやを乗せてさ、そうだよ! 当たり前じゃんか、うんうん、そうそう、普通の事を普通にやろうよ? そそそ! んじゃそれで! くどいかも知れないけど無理はダメだよ! ok? オッケイなの? うんうん、じゃあお願いするでござるよ~! えっ? 茶色以外って、えっと、そう言われれば、白と黒の原寸大も欲しいっちゃ欲しいでござるが…… え、いいの? 吹木ふいぎさんがっ! え、それって…… 流石に図々しんじゃないかなぁ~、えっ? ええ? ああ、結城ユウキ氏がいいなら…… って、ってかゆ、悠亜ゆあ、でござるか? あれ、あれれ、なんか違和感が…… まあ、でも無理はしないでよぉ、うんうん、判ったでござる、……なんかアリガト ……うんうん、んじゃぁ、又ね? はいねはいねはいね! ピッ!」

 コユキは思った、何だいつもと変わらないじゃないか、と。
 すると、又別のメンバーが善悪に話し掛ける声が聞こえてきた。

「善悪様、『浦島太郎の腰蓑』なんじゃが、コユキ様のサイズにリフォームした方が良いじゃろうか?」

 ふむ、この声は『忠節の徳』グローリアだろう、そういえば古着とかのお直しが得意とか言ってたっけ。
 善悪の返答も聞こえる。

「気持ちはありがたいでござるが、万が一アーティファクトの効果が下がったり失われたりしたら事でござる、そのままで使って貰お! コユキ殿の安全が一番大切だからね」

「なるほどですじゃ、でもこれ身に着けられるんじゃろうか?」

「首でも腕でも回りそうな所で良いでござろう、んでも、グローリア色々気を使ってくれてありがと、でござる」

「なんの、なんの」

 グローリアは本堂を出て行ったようである、にしても善悪は忙しそうであった。

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