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シミと共に


ほうじ茶を啜りながら
美魔女と呼ばれる人たちの『美白化粧品』のCMを見て

「もっと日焼け対策すればよかったー。」
と嘆く私に
「シミはあんたが歩んできた人生の証やないか!」
と祖母はぴしゃりと言い放った。


20歳で沖縄に移住して、島の太陽を浴びて暮らしたことも、タイのパンガン島に滞在し、真っ黒になりながらヨガの資格を取ったことも。

全部自分で選んで自分で決めたことでひとつも後悔していないのに。
どうして今さら頬にできた無数のシミを見て「〜してれば」と後悔するのだ。


30代、独身、子なし。

結婚も出産も「今は保留」と後回しにしてきて
「いつか後悔するのかな?」って
未来の自分に怯えるのはもう嫌だ。

これから5年後、10年後。
「あの時こうしてよかった」とか
「今が一番楽しい」とか。
笑って言える自分でありたい。


いつか顔のシミを見て
「一緒に生きたな。」と誇ってみたい。
祖母のように。

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