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ボーカロイドの深淵を覗こう #31

こんにちは。ボカロが好きです。ボカロはいいぞ

 さて、「アンダーグラウンドボカロジャパン」「感性の反乱β」「POEMLOID」「VOCALOIDよれよれ曲リンク」「ボカイノセンス」の全曲周回を目指して感想を書いていくシリーズの31回目です。第一回はこちら一覧はこちら

 クレジットについて、概要などに表記がなければ作詞作曲を投稿者本人が行ったとして表記します。絵や動画については概要欄/タグ/動画内にクレジットがある場合のみ表記します。

 万が一ですが、クリエイター様御本人で自分の曲を紹介してほしくないということがありましたらご連絡ください。

 それと、非常に残念かつ遺憾なことに、現在「感性の反乱β」を中心にタグを無作為に消して回る荒らしが発生しているようです。ついては、紹介すべき曲が漏れてしまう可能性があるので、落ち着いてタグが復旧するまでしばらく更新できないと思います。
 荒らされる前の該当タグの全動画リストは「#0」に6/19付の全情報PDFが載っています。また、6/28付の「感性の反乱β」全曲リストをのリンクを最後に貼っておきます。タグ復旧のご協力や今後の曲の予習にご利用ください。単純に「感性の反乱β」は面白いタイトルの曲がたくさんあるので、気になった曲を聞いてみるのもアリです。よろしくお願いします。

それではいきます。


0301. ポップ・ソングが作れない / 問題児P

タグ:アンダーグラウンドボカロジャパン
作詞・作曲:問題児P
ボーカル:巡音ルカ
投稿:2010/5/21

 ポップソングが作れないという嘆き(?)と共に、爆音ノイズ、不協和音なんでもこいの大暴れ。音量は注意です。関節痛をきっかけに何か暗いことを思い出したのでしょうか。そういう謎きっかけでフラッシュバックすることありますよね。でも2秒で忘れたというポジティブさ? たしかにポップソングにはほど遠いでしょうが、1:20頃からの不安げなメロディも癖になります。最後は低音のノイズで終わりますが、自分の限界に対する地団太のようにも感じます。

0302. 3メートルの彼女 / 懐古P

タグ:アンダーグラウンドボカロジャパン
作詞・作曲:懐古P
ボーカル:初音ミク
投稿:2010/5/24

 幻想的な童話のような世界と身長3メートルある彼女という謎設定。谷山浩子さんのような幻想世界です。もしかして3メートルだから3拍子…? 違うか。「神様を呪」って「豚と呼ぶそれを食べて」というのはとてもイスラム教的ですね。身長以外「全く平凡で普通の少女」というのはちょっとバイアスが……? 愛は盲目ということを伝えたいのかもしれません。

0303. _LIFE_ / 大丈夫P

タグ:アンダーグラウンドボカロジャパン
作詞・作曲:大丈夫P
イラスト:(大丈夫Pの)近所の友人
ボーカル:初音ミク
投稿:2010/5/25

 大丈夫Pにしてはおとなしい……? 大丈夫Pのおとなしい基準が上すぎるだけなのかもしれませんが……現代音楽的なイントロとメロディが浮遊感があります。タグはついてないけど「よれよれ」でもあるのかもしれないです。歌詞をよく聞くと海を揺蕩っているようです。日本神話のヒルコのような切なさを感じました。

0304. 人間と雑草の香り*re / TheoRe::

タグ:感性の反乱β
原曲:TheoRe::「人間と雑草の香り」(Self Remix)
作曲:TheoRe::
作詞:キレイキレイ
イラスト:sixtyhkd、134
ボーカル:鏡音リン
投稿:2010/5/30

 ご自身の曲の再々Remixバージョン。とても聞きやすくなっています。一つ一つの音が際立っていてカッコよくなっているように感じます。
 そうでなくてもめちゃくちゃかっこいいプログレサウンドです。リンの尖った高音にとてもあっています。2:30からのkonの頭韻も気持ちいいです。歌詞の内容もきれいです。

最初は「ゴミ箱に押し込まれた彼らは笑い方を忘れた」と暗い世界を恨む内容ですが、徐々に憎しみが溶解するように美しくなっていき、最後には。

いつも歩いていた よごれを見ないように
いつの日かみんなで太陽の白さ仰ごう
水の世界届けよう 朝の葉の香りに
見つけあおう この時を

人間と雑草の香り*re / TheoRe:: feat. 鏡音リン

とても美しく希望にあふれているようで清々しいです。

0305. 大怪獣ニッポンゼンメツ計画 / 円盤P

タグ:VOCALOIDよれよれ曲リンク
作詞・作曲:円盤P
ボーカル:GUMI
投稿:2010/5/31

 怪獣に襲われるニッポンの様子をおしゃれなインストと一緒に語るGUMI。語りがとても好きです。「ぼくこんな日が来るのをずっとずっと待ってたんだ/全部ふりだしにもどす こんな日をずっと」という本気のような妄想のような告白、「があぁぁおおおおおおおぉぉおおぉ/ゆけ!」の可愛さ、思考を奪われる夏の午後の授業で、東京タワーを眺めながら夢想したかのような無邪気さと残酷さをあわせもった軽妙な語りが最高です。それに合わせられるギターとドラム主体のサウンドもとても良いです。語りに対するリズム感がおしゃれでずっと聞いていたくなります。

0306. Perversion doll / 紫。

タグ:アンダーグラウンドボカロジャパン
作詞・作曲:紫。
イラスト:しぐの
ボーカル:初音ミク
投稿:2010/6/1

 「幻想狂気曲」らしいダークな童話調の曲。三拍子がファンタジックで豪奢な雰囲気を出しています。チェンバロのような音やEピアノ?の不協和音感もある副旋律が狂気的なラストを予期しているかのようです。

0307. ……00/0%0■0□ / 天田晃司

タグ:アンダーグラウンドボカロジャパン
作詞・作曲:天田晃司
ボーカル:初音ミク
投稿:2010/6/4

 ミクがノンストップで歌い続けだんだんと上昇していく声がこちらまで切迫感を感じます。「零五つ」が何を表しているか意味深です。「僕はいつしかお前を壊さなきゃならんだけどいつまでもその時が来ないそう願っちゃうよ」などミクと会話しているような部分もあり、思ったことを矢継ぎ早にすべてミクが歌うような、文学における「意識の流れ」のような面白さがあります。

0308. 尸に接吻(Remix) / ハイハット狂P

タグ:アンダーグラウンドボカロジャパン
原曲:尸P「尸に接吻」(動画削除済み/ピアプロ
作詞・作曲:尸P
リミックス:ハイハット狂P
イラスト:ぬるり
ボーカル:巡音ルカ
投稿:2010/6/6

 尸Pの「尸に接吻」が好きすぎてRemixしたという作品。オリジナルはニコニコ動画では削除されてしまっていますが、ピアプロでまだ公開してくださっています。
 オリジナルはギターがとてもかっこいいシンフォニックな雰囲気もあるロックですが、盛大にエレクトロに解体しています。繰り返しやノイズ、声の挿入がかっこいいです。50秒頃の刻む感じもいいですね。アウトロのエッジがかった声も好きです。

0309. totem / ManHoleManP

タグ:感性の反乱β
作詞・作曲:ManHoleManP
ボーカル:-
投稿:2010/6/9

 ManHoleManPによるインスト曲です。特徴的なギターサウンドが魅力的です。王道なロックが始まる……と思いきや進まない! という繰り返しなど先が読めない展開が素敵です。2分ごろからはギターがしゃべっているようです。4分ごろの盛り上がりからの展開もかっこいい。ラストのギターとドラムの激しいクライマックス、最後のギターの残響も素敵。6分と少し長めですが聞き入ってしまいます。

0310. august / ManHoleManP

タグ:アンダーグラウンドボカロジャパン / 感性の反乱β
作詞・作曲:ManHoleManP
ボーカル:初音ミク
投稿:2010/6/11

 2曲続けてManHoleManP。ミクがコーラスをしているアンビエント。アンビエントというと森の中のような壮大な自然への没入のイメージが勝手に私の中にありましたが、この曲はサムネのように土の中のような閉じたような不思議な雰囲気、静かだけど力強いものを感じました。ずっと流れている水のような音も素敵です。


今回はここまで!

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周回の中で特に気に入った曲をマイリストに入れておきます

「感性の反乱β」の全動画リストです。



日記:2022/06/27

 タグをぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ荒らすなあああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

しょーもないことしてくれやがって。なんだ、それがオモロだとおもってるのか? 全然うけてないからな。

 というわけで一旦お休みします。該当タグの全動画リストを取得しておいてよかった。というかそんな奇特なことしてるひとなんてめったにいないわけで、下手したら300曲近くが埋没するところでした。ほかのタグへ波及しないことを祈っています。

 特に「感性の反乱β」はアングラなタグの中でも思い入れのあるタグです。初めて聞いた該当曲はATOLSさんの何かだった記憶があります。なんだっけ……
 「感性の反乱β」は名前の通り「なんかすごいやつ」みたいな感じのタグでその漠然とした感じが好きです。中には感性の反乱βか?というのもあるかもしれませんが、誰かが感性の反乱βだと思ったならそれは感性の反乱βです。

 このシリーズなかったら日記もかけないじゃんね??? このところの布教と感想をば最後に残しておきます。

 『宝石の国』が現在無料で最新話まで読めます。あと二日ちょい。今のうちにぜひ!

 『宝石の国』は単行本とアニメのBDを買うくらいには好きです。前にアニメのOPも紹介しましたね。
 「宝石」という不変のものの中で、唯一身体・環境・信条そのすべてが変化していくフォスフォフィライトの報いなき世界に絶望しつつ祈りつつ、それでもこの繊細な美しい世界を見届けたいという衝動が湧いてくるような作品です。ほんとつらい。でも好き。単行本よむときは『日常』と交互に読んでます。

アニメ映画『犬王』を見に行きました。面白かった。

まず何より音楽が良い。森山未來とアヴちゃん、歌良すぎ声良すぎ。

 歴史の波に消えた室町時代の能楽師「犬王」のお話で音楽がとても大事なのですが、とても大胆な構成で驚きました。その構成自体が音楽に全幅の信頼を置いているようでした。

 明らかに曲や演出がQUEENリスペクトだと思うのですが、それもとてもかっこよかったです。プロテスタントとしてのROCKを能楽に落とし込むというすごい発想。

 音楽の歴史性的解釈もいいですね。琵琶法師は平家の物語を口伝で伝えたように、音楽が「歴史を示すもの」であるという側面を映しつつ、その中心人物が現代までは記録が残っていない、という平家物語の「諸行無常」の主題との切なげな対比もよかったです。

 そんなわけでこちらもぜひ!! 布教と布教になりましたね。

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