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ルイス・キャロルの「アリス」考察

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『不思議の国のアリス』『鏡の国のアリス』および関連作品の考察。 作中のパズルを解く記事が中心です。
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#チェスプロブレム

『鏡の国のアリス』のチェス問題④(日付との関連)

今回はチェス手順と日付との関連です。

1手=1日対応では、21手のチェス手順はLentの後半3週間に相当しています。

Lentは、元々40日間の断食期間だったのが、期間中の6回の日曜日を「断食を休む日」にして46日間になったという経緯があります。

白の女王の台詞「breakfastの前に6つのあり得ないことを信じた」の「あり得ないこと」というのは、Lent期間中の日曜日のこと。
そもそも朝食

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『鏡の国のアリス』のチェス問題③(時間との関連)

チェスの回答手順と時間の関係です。
1手=1年、1手=1日、1/2手=1時間の3種類がありますが、今回は「年」と「時」です。

1手=1年Alice Liddellは1852年5月4日生まれ。
そのアリスの半生と『鏡の国』のチェス手順が連動しています。
第1手=1852年、第2手=1853年、・・・第21手=1872年という対応です。

1852年(1.○Nd4)
アリス・リデル生まれる(数え年1

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『鏡の国のアリス』のチェス問題②(物語との関連)

回答手順と物語の関連(主なもの)1.○Nd4 花壇中央の木、「バウワウ」①
1.●Qh5 赤の女王「2,3,4,5」と数えて去る
2.○Nf5
2.●Nf6
3.○d4 双子との会話、"harf past four"
3.●Nd5 ナイチンゲール来襲②
4.○Qc4 白のクイーン、赤のナイトを攻撃
4.●Nf4 白のナイト孤立(牢の帽子屋)
5.○Qc5 白のクイーン、白のナイトを守る
5.●Ng

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『鏡の国のアリス』のチェス問題①(回答手順)

『鏡の国のアリス』巻頭のチェスプロブレムへの私の回答です。
『鏡の国』は、この回答手順を踏まえないと作者が表現しようとした内容のうちの半分も理解できないのではないかと思います。
来年2021年は『鏡の国』刊行から150年。
『不思議の国』は大好きだけど『鏡の国』はちょっと、という人もこれを機会に挑戦してみては如何でしょうか。

回答手順 1.○Nd4・・・1.●Qh5
2.○Nf5・・・2.

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