記事に「#ネタバレ」タグがついています
記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。

『鏡の国のアリス』のチェス問題④(日付との関連)

今回はチェス手順と日付との関連です。

1手=1日対応では、21手のチェス手順はLentの後半3週間に相当しています。

Lentは、元々40日間の断食期間だったのが、期間中の6回の日曜日を「断食を休む日」にして46日間になったという経緯があります。

白の女王の台詞「breakfastの前に6つのあり得ないことを信じた」の「あり得ないこと」というのは、Lent期間中の日曜日のこと。
そもそも朝食(breakfast)という言葉自体、断食(fast)を破る食事という意味。
『鏡の国』の主要な登場人物が、何かしらfastの絡む台詞を口にしているのも、この「断食」という意味のfastへ誘導するヒントだったんですね。
赤の女王の"Fast, fast""とか、白の騎士の"as fast as lightning"とか。

Lent自体は、白の王が暖炉の灰まみれになる「灰の水曜日」から始まっているのですが、チェス手順と対応するのは第4週の日曜日=1手目から。Lent最終日、第6週の土曜日が21手目になるわけです。

白の女王の台詞「最後の組の火曜日」が指すのはLent第6週の火曜日=17手目。
17.○Kd6+のdiscovered checkが「落雷」で、そこから手順を逆に辿る16~12手目が「テーブルの周りをごろごろ転がる」に相当しています。
「テーブル」があるのは羊の店の店内、d5のマス付近の盤の中央ですね。

白の女王の「HDがcorkscrewを持って扉にくる」という台詞は、HDの詩の第18連(19手目に相当)が日付との対応では第3週の木曜日だということを示しています。

つい先走ってしまいましたが、チェス手順と詩の関連は次回以降の予定です。

Lentの話でした。Lent期間中は結婚禁止期間でもあり、最終日の第6週の土曜日の翌日のイースターがチェス手順における「チェックメイトの先」、アリスの「夢からの覚醒」と重ねられています。

『不思議の国』も『鏡の国』も、アリスが夢の世界から何を持ち帰ったかがテーマだと私は考えているのですが・・・・・・先は長いなあ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?