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未経験でコピーライターになる!と決めた人は、及第点を取れる思考の型を身につけよう

こんにちは。フリーランスマーケターkevinです。

タイトルを見て記事に入っていただいた方の中には、
「なんだよ、マーケターじゃん。コピーライターのことなんて知っているのかよ!」

わたしの肩書きを見て「ちぇっ」と思った方、落胆するのはまだ早いのです。何を隠そう、わたし自身、20代の頃に未経験からコピーライターへの転職を果たし、4年間にわたって武者修行をsurviveした経験があります。

20代前半(社会人2-3年目頃)、クリエイティブ職は完全未経験』だったわたしが、コピーライターの世界に飛び込んだ経験をもとに、コピーライターになって良かったこと、逆にしまった!と思ったことをリアルな声として書きます。
※もう10年以上前の経験なので記事内の情報が一部古いものもありますが、基本的には実体験ベースの話なので何らかの参考にはなると思います

まさにこれから未経験でコピーライターを目指したい!という方にとって、少しでも参考になればと思います。


「クリエイティブってかっこいい」という安直な憧れ感に誘われ、養成講座に通う

当時のわたしは新卒2年目。希望通り大手の広告代理店に勤務していました。職種は、メディアの出稿プランを立てる企画部門。

競合コンペでは、マーケターやクリエイティブ、営業などさまざまな職種の方と仕事をする機会があります。そんな中でも一際目立つのが、花形のクリエイターたち。

詳細は端折りますが、代理店勤務の御多分に洩れず「クリエイターってかっこいい…」という憧れを募らせていきました。
しかし、これまでクリエイティブ系のことには無縁だったので、そもそもどうすればクリエイターになれるのかすら知りませんでした。

その時に知ったのが宣伝会議が主催するコピーライター養成講座です。

著名クリエイターから教わるも、才能のなさに自身喪失

養成講座には同期が30名くらい(記憶違いかも)いて、毎週のように同じ教室で授業を受けます。

講師陣は、当時の広告業界でもトップクリエイターと言われる豪華なラインナップでしたね。この記事を書くのに久々にHPを見ましたが、半分くらいはまだ教鞭をとっているようです。

講座ではほぼ毎回のように「課題」が提示されます。講師によってさまざまですが、基本的にはキャッチコピーやCM企画を考えるものが多かったです。

その課題で、クリエイターとしての最初の洗礼を受けるわけです。同期の中でも数名、毎回と言っていいほど「金の鉛筆」をもらう人がいます。
金の鉛筆は、課題で講師が優秀だと評価した者に与えられる賞品です。

半年間通ってほぼ全部の課題を出しましたが、わたしがもらった鉛筆は3本だけでした。

数少ない作品をポートフォリオにして転職活動

養成講座に通っている間は仕事と講座で余力がなかったので、講座が修了してから本格的にコピーライターになるため就職活動を始めました。

ここはあまり記憶がないので簡潔になりますが、やったこととしてはめちゃくちゃシンプルです。

  • ポートフォリオを作成する

    • 養成講座で金の鉛筆をもらった作品や、宣伝会議賞などで審査を通過したコピーや企画をかき集めて作品集をつくる

  • 転職サイトに登録する

    • 普通にリクナビや(確か)Wantedlyとかに登録した記憶があります

    • 「コピーライター 未経験」で絞り込むと、そこまで多くの求人が出てこなかった

1つだけ決めていた、転職先の条件

未経験のくせに、会社を選ぶ権利なんてあるのかい!と言われてしまいそうですが、1つだけ絶対に譲れないことがありました。

それは「コンセプトづくりから入れる仕事が多いこと」。
広告代理店にいた時から、クリエイターには大きく2つのタイプがあることを知っていました。

1つ目は、上流工程から入ってコンセプト決めに携わるクリエイター。2つ目は、決まったコンセプトや戦略に基づいて実際の制作のみを担当するクリエイター。

クリエイティブ制作のざっくりした流れは↓のような感じ

なので。
生意気にも未経験のくせして、最初からCD(クリエイティブディレクター)的な役割ができることを条件にしていたことになります。

「つくる」方から「決める」方へとステップアップしていくのが一般的な流れなので、ある意味それと逆行した思考を持っていたのです。(厳密には逆光ではなく、「つくる」と「決める」を同時にやるのですが)

なぜそこにこだわっていたのか、今となってはよく覚えていないのですが…結果的にはその一点にこだわったことが、今の自分の武器につながっていることは確かです。過去の自分を褒めてやりたい。

意外と?難航しなかったシンプルな理由

この世の中、「企画から入れるコピーライターの求人」なら結構あります。
大枠のコンセプトや方向性を代理店や直受けの大手制作プロダクションが決めて、そこから広告企画をアイデア出しから入る仕事は多いです。

しかし、「コンセプトづくりから入れるコピーライターの求人」は、代理店や一部の大手制作会社を除くと、かなり少ないです。
代理店や有名な制作会社では、新卒以外で未経験のプロフェッショナル採用をすることは(自分の知る限り)ほぼないので、必然的に応募対象になりません。

それでも、わたしは幸運にも比較的短い期間で、この条件を満たす転職先を決めることができました。

この理由はたった1つで、
【未経験 x コピーライター】+【直クライアント案件が多い】という募集だけを狙い撃ちして応募したのです。

【未経験 x コピーライター】で引っかかる求人のほとんどは、いわゆる下請け・孫請けの案件が多い求人制作ライターなど。当時は特にR社の求人媒体に掲載する用の求人広告を制作する小規模なプロダクションの未経験採用の求人がたくさんありましたね…

直クライアントが多いということは、間に代理店が介在しないということです。そのため、クライアントとの関係性にもよりますが、広告やプロモーション案件の上流部分(コンセプトを決める、など)から携われる可能性が高い。

わたしの場合、↑のように条件を絞り込んだ結果、興味を持って応募した会社が2社(少なw)で、そのうちの1社から内定を得ました。

まるでシンデレラストーリーみたいですが、転職先は一般的知名度のない、零細制作プロダクションです。有名企業のTVCMの企画なんて仕事はありません。中小企業の広告や販促、会社案内などの仕事がほとんどでした。
なんとなくフェアじゃない気がしたので、補足しておきます。

”森”を考えるクセがついて良かったこと

まず誤解をしてほしくないのですが、広告のキャッチコピーをどうするか? デザインをどんなテイストにするか?といったクリエイティブのディテイルを考えることは、今でもとても好きです。
言葉やデザインをつくる仕事は、数ある自分の仕事の中でも純粋に没頭できる、宝のような仕事だと思っていさえします。

それでもやっぱり、20代の自分の直感は正しかったと信じています。
コンセプトを考えるとは、要はクライアントの課題の本質を探り当て、それを解決するための戦略を描くこと。

そのために、定量面・定性面から、実にさまざまな情報収集を行います。必要があれば関係者へのヒアリングやインタビュー設計もします。そして、説得力のあるプレゼンテーション力、納得感を生むクリエイティブ発想力も磨かれる。

”森”を見て考える仕事に向き合う中で、クリエイティブのみならず、マーケティングにも通ずる知見を積むことができたのです。

もし下請けや孫請けばかりの案件を受ける会社に転職していたら、仮に経験を積んでも、結局は誰か(代理店のCDなど)が考えたコンセプトや方向性の中でしか考えるクセができなかったはずなので。

及第点が取れる思考の型を身につけよう

クリエイティブな仕事と聞くと、どうしても「発想力」の方に意識が行きがちです。元々24歳でコピーライターを志したわたしも、まさにそうでした。

しかし、クリエイティブの本質を「誰かの抱える課題や悩みを解決すること」とするのであれば、誰が何に悩んでいて、どうすれば解決できるのか?といったことを紐解く作業が最も重要です。

これはまるで、ぐちゃぐちゃに絡まった糸を解くような地味であり、繊細な作業。正直やっている最中は結構つらいのですが、場数をこなしていくと「及第点が取れる思考の型」のようなものが、自分の中で構築されてきます。

なんだか「及第点」とかいうと地味〜なのですが、継続的に仕事をとっていく上で、コンスタントにヒットを打てることってかなり尊い。特にフリーランスともなれば…

わたしは今はマーケターをやっているので、クリエイティブ時代にこの思考の型が身についたことの恩恵をとても受けています。
でも、実はクリエイターもマーケターも、アウトプット方法が違うだけで「誰かの課題を解決する」という目的は同じ。

なので、コピーライターを目指す場合でも、なるべく上流工程から関わる機会を持ち、思考力を鍛えられる環境を求める方が良いと、わたしは思います。

未経験からいきなり!と思うかもしれませんが、むしろ未経験だったり若いうちから鍛えておくことが大事です。
「未経験だから、とりあえずコピーライターになれればいいや!」だと、色々な意味で後々後悔する可能性が高いです…

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