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詩)置いてゆくもの

人は何も持たずに生まれてくる
言葉も知恵も眼の光さえもボヤけたまま
それでも多くの人に祝福され
これから歩む未来のために
希望のこもった名前を託される

人は何も持たずに死んでいく
地位や名誉や友人や家族
今まで築いてきた全ての物
名前さえも此方の世界に置いていく
多くの人に記憶だけを残して

私はどれ程の荷物を抱えているのだろう
目を閉じて身軽になって空へと消える時
祝福と同じだけの涙を流して貰えるのだろうか
煙突からモクモクと煙が立ち込める

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