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詩)誰か

誰の言葉だったかは忘れてしまったけれど
それとも、あなたが誰だったのかを忘れてしまったのかも知れないけれど
あなたの言葉は確かに私の片隅に残って
強く自己主張を繰り返すわけでも
時折、構って欲しそうに見つめるでもなく
ただ、何かの拍子にやって来て
ふっと思い出しては消えていく
座右の銘でもなければ
人生を変えた言葉でもないけれど
あなたの言葉は私の中に溶け込んで
私を作るひとつとなって
共に生きて、共に朽ちる存在になっている
それでも、あなたを思い出せはしないけれど
そんな言葉を紡いだあなたを羨ましく思う
いつかは私もそんな言葉を紡ぎたい
誰かを作るひとつになりたいと
今日も言葉をんでいる



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