詩)カケラ

吐き出す事も出来ず
喉に引っ掛かった小骨の様で
痛みはなく
気持ちの悪い違和感だけが残る

何処かへ行った筈だと
風になって影すらも残さず
淡々とこなす日々に小さな幸せ
菓子の甘さとアルコールの苦味

いてもいても
空っぽの玉ねぎの様で
何処からともなくやってくる涙
手に握る事なく消えた物は
カケラとなって喉の奥に残る

これも飲み込めたのなら
いつかは血肉に変わるのだろう
人は食わねば生きてはいけぬと
カケラをいろどりに変えて生きる