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詩)自由

繋がれた犬は
鎖を引きちぎり走り出した
何処までも広がる世界
自分の速さに酔いしれた

心臓が悲鳴をあげようとも
よだれ塗れになる口を拭う事もなく
ただ、ひたすらに走った

世界の端まで行ってやると
だらしなく舌を垂らし
自由を噛みしめた

海まで行って犬は止まった

喉の渇きを癒そうと
海水を飲めど潤う事はなく
水平線を登る陽を背に浴びて
犬はトボトボと家路を歩く


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