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詩)唯の人

些細な事にイラついて
先の事を話すより
戻れぬあの日を語ってばかり
大した経験もないくせに
俺らが若かった頃はって
煙たい説教と愚痴を垂れ流して
いつの間にそんなに偉くなったんだ

ちっとも偉くも立派にもなってやしない
あの日、いつかの夢を語っていた青年も
気づけば初老のおっさんになって
麦酒ビールの苦さを美味いと感じる位しか
理想の大人にはなれていない訳で
それでも毎日はくるくると繰り返されて
きっとこんな大人は
そこらにたくさん転がっていて
NO.1よりONLY ONEだなんて
誰に対しての言い訳なんだか…

まぁ。それでもそんなおっさん達が
汗水垂らして働いてるから
きっと世の中、なんとか回ってるんだろう
歯車の一つになれてんなら
それはそれで、悪くはないかと

歴史に名を刻む事はなくとも
くだらない毎日を
這うように生きた貴方の今日が
明日を作るいしずえになる訳で
嗚呼、偉大なるordinary manよ
素晴らしき明日に乾杯

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