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詩)行く年、来る年

分厚い雲は陽を遮るさえぎるだけでは飽き足らず
水の中さえも侵食していた

生い茂った枯葉は
何かを隠しているのか
風に揺らされ
その色を少しずつ失っていく

音も立てずに広がる波紋に
水の中の空は揺れる
隙間から漏れ出す光も届かず
静寂の世界に立ち尽くした異物も
ゆっくりと溶けていく

次に目が覚めれば
ここにいた事さえも
追いかけられない昨日に変わる

新たな年と旧びふるびて行く年の隙間で
ゆっくりと揺れる枯葉を見ていた

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