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詩)鳩

要らなくなったパンをまいてみた
鳩は屋根の上で首を傾げるばかりで
待てども待てども降りてはこない

雀が数羽やってきて
パンを咥えて飛んでいった

何もしないと伝えてみても
こちらの様子を伺うばかり
警戒しているのか
腹は減っていないのか

風に吹かれたのか
雀が咥えていったのか
パンは姿を消してしまい
仕方がないから米をまいた

米に変われば
一目散にやってきて
鳩は何度も地面を啄ばむ
選り好みをするなど贅沢な奴だ

ゆっくりと変わる空の色と過ごす
土曜の夕方

傾げる…かしげる



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