結果を出すリーダーはみな非情である 冨山和彦

目立たず自由に動ける無名の課長レベルが、実態を動かして方向性を決め、それをトップが事後的に承認するケースはいくらでもある。

社内で自他共に認める社長候補のひとりというような人間には一番情報が集まる。特に下の世代に対して大変大きな影響力を持つ。

課長というのは、ある意味でペーペーの社員より逃げ道が多い。部長のせいだけでなくて、部下のせいにもできる。他人に責任転嫁して過ごすのか、すべて自分で引き受けてストレス耐性を高めるか。

捨てることにこそ戦略の本質がある。

戦略や仮説を事前に検証してみる意味でも、課長クラスのダイレクトなルートは重要だ。

トップリーダー層(CEOプラスせいぜい2人)、ミドルリーダー層(部長クラス、課長クラスそれぞれ3人)に、合計最大9人、本当にリーダーと呼ぶに値する人材、いつどんな立場にいても「経営トップのごとく考え、決断し、行動する」人材がいれば、規模の大小にかかわらず多くの日本企業は見事に蘇るはずだ。

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