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短編小説。

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#イズミフチュウ

君のいた余韻。

君のいた余韻。

「忘れ物ない?」
「うん、大丈夫。ないよ」
もう取りに来れないからなぁ、って君は笑う。
「もし忘れ物してたらさ、私のとこまで持ってきてくれる?」
「…馬鹿なこと言うなよ」
「あはは、冗談冗談」
助手席に乗っている君が、目じりを少し拭ったように見えた。
それは笑ったからか。それとも…。
君は、膝の上に大きな荷物を乗せている。
会話もほとんど交わさず、君をいつもの駅に送る。
これが君と過ごせる、最後の

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