危機的な状況になると、謎の第三者が現れるのですよ。
サードマン
「ビー坊よ、ゲゲゲの鬼太郎で有名な水木しげる先生が大活躍し始めたのは、奥さんをもらってからだったのだよ」
「ゲゲゲの女房だよね」
「うむ、例えば《怪談》で有名な小泉八雲がいるではないか! 小泉八雲を手助けしたのは、奥さんの小泉節子さんだな。
ほとんど知られてないことだがね。小泉節子さんは、日本が欧米諸国の植民地となることを防いでくれた女性なのだよ」
「そうなんですかい!」
「そうなのだ。ほとんどの人が知らない重大な出来事の裏に、必ず女性の力が働いているのだ。決して表には出ないが、確実に世界を動かしている《陰》の力だな!
政治や経済、文化、科学、スポーツなど、すべての分野において、目に見えないところで、必ず女性の力が働いているのだ」
「へぇ~!」
「男の力は、女性の力が形になったものに過ぎないのかもなあ。例えばだね。原点はスサノオだねぇ。
スサノオは、はじめ、幼くて暴れん坊で、どうしようもない存在だったのだよ。しかし、イナダ姫に出会うことで、ヤマタノオロチを退治し、ヒーローになってしまうのだ。
スサノオをヒーローにしたのは、イナダ姫なのだよ」
「なるほどっ! スサノオさんをヒーローにしたのは、イナダ姫でしたねっ!」
「ほとんど表には出ないが、すべての女性は、目に見えない陰の世界で、現実に影響を与える魔女なのだ。
子どもの問題も、病気も、経済問題も、環境問題も、戦争もすべて、解決する力があると、私は考えているのだよ。女性の力を借りて、男はがんばるのだ。
その目に見えない陰の世界を軽んじてはいけない。
この陰の世界のエネルギーは、時にはサードマンとして現実世界に現れるのだ!」
「サードマン現象」と呼ばれるものが、あるのですよ。
雪山で遭難したり、災害で危機状態に陥ったりした人が、よく、《見知らぬ第三者に助けられた》と主張することがあるのです。しかし、あとになって、《そんな第三者は存在しなかった》という事実が判明するケースがほとんどなのですよ。
心理学では、謎の第三者現象と呼ばれている現象ですがね。ほとんどの心理学者たちはこれを、緊急時に脳が作り出す幻覚と考えているのですな。
参考文献 「奇跡の生還へ導く人―極限状況の『サードマン現象』」ジョン・ガイガー著 新潮社
しかしですな。私は、単なる幻覚と考えていないのですよ。
なぜならばね。幻覚と片付けるには、無理があるケースが非常に多いのですな。
①友人の体験
ある日のこと。
あるがん患者さんをヒーリングするために、友人のスターさん、Peangelさんたちが集まりました。
ヒーリングが終わったあとで、スターさんとPeangelさんは、お互いに感想を述べ合っていたのですが……。
「そういえば、今日来てたあの人……。
ほら、キノシタさんの横にいた女の子、Peangelさんの知り合い? 」
「あの女の子ですか?
スターさんのお知り合いじゃあなかったんですか? 僕はてっきり、スターさんの知り合いだとばかり思ってたんですが」
「えっ?」
「え?」
あとで判明したのですがね。
なんと……。誰も、その女の子が誰なのか知らなかったのです。
②広島の幼稚園バス
これは、けっこう有名な話ですな。
数年前に、橋桁が落下し、多くの方が下敷きになって、お亡くなりになるという痛ましい事故がありました。
しかし中には、なぜか事故を回避できたというケースもあったのですな。
それは、ある幼稚園バスでした。
たくさんの幼児を乗せたバスが走行中、一人の男子児童が、「オシッコに行きたい!」と激しく訴え始めたのですね。
あまりに激しく訴えるので、仕方なく路肩に緊急停車したところ……。
「あっ!」
突然、前方の橋桁が落下したのです。
結果として、この幼稚園バスは大惨事を免れたのですがね。
その後、問題となったのは、オシッコに行きたいと泣き叫んだ児童が誰だったのか? 誰にも心当たりがなく、思い出せないということなのですよ。
私が、広島の「わらべ」という、座敷わらしで有名な蕎麦屋さんに行ったときですがね。
広島の橋桁落下の事件について語ったところ、 テツローくんという青年にこう言われたのですよ。
「ケルマさん、僕、その橋桁落下事件の、幼稚園バスに乗ってた人から聞いたんですけどね 。
幼稚園バスを救った謎の児童なんて、いなかったそうですよ」
「ううむ……テツローくん。
じつは、このサードマン事件だがね。私も、バスに乗っていた当事者から聞いたのですよ」
「えっ! ぢゃあ、どういうことです?」
「複数の人間が別々の現実を体験していたのかもしれないのですよ。量子レベルにおいて、世 界は、たくさんあるからね。
そう、君が機械の体を求めて宇宙を旅する世界もあるのかもです」
「僕、まだ生身の体でいたいっす! 整体の勉強してますから!」
「世界は、まだまだ未知数なのですよ。認識することで、新しい世界が認識できるのですな。
テツローくん、きっといつかは、君も出会うのさ! 青い小鳥にっ」
続きは、本書で!!
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