世界はたくさんあるのです! ならば、自分自身が望む未来を選ぶのですよ!!
結果を先に作るのだ!
プロローグとして、まずは、こんな話から語ってみましょう。
あれは、まだ私が20代の頃。
当時、バイトで『紳士服の○○』にいたのですな。そこでのバイトは、3ヵ月という私にとって最長記録の場所でしたね。
ある日、店長が店員たちに、こう言ったのですよ。
「礼服が、もっと売れる方法はないものかねぇ」
私は、 こう言ったのです。
「はい店長、方法がありますよ」
「ほほう、どげな方法だね?」(店長は松江の人でした)
「結果を先に作ってしまうのです。先に結果を作れば、原因が起こってきます」
「……?」
「先に、《礼服が売れました! よかったですね!》と宣言してしまえば、そうなるための原因が起こってくるはずです」
「ケ、ケルマデックくん……」
店長の顔が、歪んで凍りついていましたね……。
なにしろ、これ、三十数年前の話です。
「フハハハ〜 、ぢゃあケルマデックくん、
《よかったなあ~、礼服売れちゃったなあ~》って言ってたら、礼服が売れるんだな。
じゃあ〜、みんなも、そ〜言うことにしよ〜かあ〜。フハハハ」
私の提案は、明らかにバカにされてましたね。その日ずっと、店員たちは、
「おい、礼服売れちゃったよね〜」
「在庫なくなったよなあ〜。ケルマデックのいう通りだったよなあ。ぷぷーっ」
とか言って、ネチネチとはしゃいでいましたね。
……そして数時間後……
「て……店長!」
店員の一人が、青ざめた顔で従業員控室に駆け込んできたのですよ。
なんと……数台の大型バスが、店の駐車場に入ってきて、そのバスから、パンチパーマやスキンヘッド、彫り物をまとった方々が出て来られたのですよ。
「い、い、いらっしゃいませ……。
な、な、なにかお探しものでしょうか……」
店長が、緊張しまくって……、それはもう緊張しまくってます。
「ワシら、旅行の途中だったんじゃがな。今朝、広島の親分が亡くなったっちゅう連絡があっての……。これから葬儀じゃけん、全員の礼服が必要になったんじゃ」
……………………
嵐のようでしたな……売れましたよ、礼服すべて……。
「ケ、ケルマデックくん……。う、宇宙は神秘に満ち溢れてるんだねっ……」
「そーですね。店長!」
……懐かしい思い出ですな。脳内補正なしの実話ですがね。
たしかに、この宇宙は、謎に満ち溢れているのですよ。
しかし時々、そのメカニズムの一部が垣間見えるのです。その1つが、結果を作ったら原因が起こってくるという、因果律を逆転させる現象ですよ。
西松屋へ行くのだ!
ある女性が、ずっと不妊で悩んでおられてね。
毎回病院に行くのが、すっかり憂鬱になったと言われるのです。
そりゃそうでしょうなあ。 毎回毎回、ガッカリするために病院に行くような感じになってますから。
私は咆哮しましたね。
「西松屋! 西松屋に行くのですよ!」
西松屋というのは、ベビー用品専門店ですな。
「西松屋に行き、哺乳瓶や搾乳器、哺乳瓶消毒器、赤ちゃんのおくるみや着替え類、移動用のキャリーバッグから授乳パッド、マタニティー下着にベビーチェアにオムツ、オムツ用洗剤などなど、すべて調べてくるのです! 哺乳瓶の乳首も、さまざまですよ。赤ちゃんの口にジャストフィットするヌークなど、いろいろあります!
今後の予算のことも考えて、リサイクルショップで揃えてよいものも、見ておいてください!
すべて必要なものを調べ、予算を計算するのです!」
「で、でも、まだできてないのにですか?」
「そんなこと言ってたら、間に合わないのだっ!
よいかね! 結果が先なのだ!
結果を作ってしまったら、原因が起こってくるのだよ!
だからまずは、西松屋に行くのだっ!
駆け足っ!」
しばらくのあと、赤ちゃんができたという連絡がありました。
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