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小林亜星さんって生きてます? 亡くなられてます?

パラレル・ワールド


 ついこの前、友人のPeangelさんが、こう言ったのです。
「ケルマさん的には、小林亜星さんって生きてます? 亡くなられてます?」
 私はこう答えたのですね。
「小林亜星さん、数年前に亡くなられたよね? 追悼番組で樹木希林さんが記者会見してるのを、見た気がするが……」
「でしょっ! 僕も見ましたから! でもね、ケルマさん……。小林亜星さん、生きてるんですよ。さっきテレビに出てました……」
 と、Peangelさんは言ったのです。
 ※これは2019年執筆当時の会話です。
 すると、友人のサダコがメールしてきました。
「ケルマデックよ、ちょいと聞くけどさ! 小林亜星さんって死んでるよね?」
「……た、たしかに追悼番組を観た記憶はあるが……」
「だろっ! あたしゃね、覚えてるんだよっ! 小林亜星さん、数年前に亡くなったはずだよっ! そのはずなのに……、小林亜星さん、さっきテレビの生放送に出てたんだよ…… 」
 と、サダコは咆哮したのでした。
 う~ん……これは、「マンデラ効果」なのか…… ?

 みなさんは、「マンデラ効果」をご存じだろうか?
 南アフリカ大統領ネルソン・マンデラは、2013年に亡くなられたのです。
 ところが、その訃報がメディアで報道されたとたん、世界中の多くの人が混乱したのですよ。
 なぜならね。多くの人が、「ネルソン・マンデラ大統領は、1990年代に亡くなった」という記憶を持っていたからなのです。
 この奇怪な現象に対して、社会心理学者の多くが「これは、錯覚によって捏造された記憶である」と考えたのですよ。
 そして、このような現象は「マンデラ効果」と名付けられたのですがね。
 じつは、一部の科学者たちは、「パラレル・ワールドではないか?」と考えたのです。
 なぜなら、マンデラ大統領が1990年代に亡くなったという記憶を持っている人が多すぎたからなのですよ。
 ある日私は、関西の障害者施設で仕事だったのです。
 仕事が終わってから、施設の所長と、友人のたーやん、そして、ある実業家と、夕食を食べたのですな。
 その席で、私は「マンデラ効果」について語ったのですが……。
 同席した実業家が、唖然とした顔で、こう言ったのです。
「ほ、ほんとですか! ケルマさん!」
「はい、ネルソン・マンデラ大統領は、2013年に亡くなられたのですよ」
「え~ッ! まさか、そんな! ……。
 だって私、1993年か1994年に、ネルソン・マンデラ大統領の妹さんにお会いしたんですけどね!
 仕事で、紅茶をマンデラさんの妹さんに贈ったんです! そのとき彼女に言われたんですよ!
《私は、亡き兄の意志を受け継いでいきます》って! たしかに、聞いたんですよっ!
 たしかにマンデラさん、亡くなられてましたよっ!
 そんな……そんなバカなっ!」
 その場にいた、所長と、たーやん、そして私も、みんながシ~ンとなりましたね。
 2018年に、天才科学者スティーブン・ホーキング博士が亡くなられる直前に発表された論文には、「多次元宇宙は存在する」と記されていたのですよ。ホーキング博士は、パラレル・ワールドを検証するための実験方法を提案して亡くなられたのです。
 それ以降、この世界に対する認識は、急速に大きく変わりつつあるのですな。それゆえに、「マンデラ効果」については、「パラレル・ワールドの記憶ではないか?」と推論する科学者たちが、今、増えつつあるのです。
 パラレル・ワールドを、誰もが認識できるかもしれないケースとして、ファンタ・ゴールデンアップルがありますな。
 私が小学生くらいのときに、ファンタのゴールデンアップル味というのがあったのです。
 私は、飲んだ記憶も、コマーシャルの記憶もあります。 同世代に聞いてみても、けっこう覚えている人がいるのですよ。
 しかしなんと! じつは、ファンタ・ゴールデンアップルは、存在しないというのですよ! ネットでも、「たしかに存在した!」と主張する人と、「そんなのなかった!」と主張する人に分かれ、大論争が巻き起こったのです。
 ネット上の騒ぎを知り、販売会社が公式発表をしましたがね。ファンタ・ゴールデンアップルは、存在していないという内容だったのです。 製造、販売の記録はないというのですよ。
 このことを、ある人に話したら、こんな反応がありました。
そんなはずない! あたしゃね! 間違いなく覚えてるよ! ゴールデンアップルは、間違いなくあったよ! あたしの家は、昔、店をやっててね。たまったジュースの王冠の裏をはがすのが、あたしの係だったのさ。
 当時のファンタは、王冠の裏をはがしたら、10円とか当たったりしたもんさね!」
 私もたしかに覚えているし、飲んだ記憶もあります。でも、じつは存在しないというのですよ。

茂夫100パーセント


 この話題をネットに出したところ、超常戦士たちが反応しました。
YAE「じつは、私もマンデラ大統領はかなり前に亡くなられていたと思ってました。
 なので死亡記事が出たときには、私の記憶違いと思いました。
 たしか、亡くなりかたは……殺されたのだったのでは??
 記憶違いかもしれませんが……
 記憶違いが記憶違いを招いて、なにが記憶違いかわからないですな」
ケルマデック「この世界は、じつはそんなに安定したものではないのかもですな。
 ならば、みなさん、自分自身が望む未来を選ぶのですよ。この世界は、応えるのです。
 しばらく、マンデラ効果について考えていたので、生き証人に遭遇したのですな」
ミルキー「ネットで見てたらけっこうマンデラさんのこと、書かれてる方見えますね!
『南アフリカ英語教育協議会』が1991年10月1日に発行した『English Alive(生きた英語)』という書物の中に、マンデラ氏が1991年7月23日に亡くなったとする記述があります。この書籍はグーグル・ブックスでアーカイブ化されています。
 私も、マンデラさんは1990年代に亡くなられた記憶があるのです」
 う~ん……やはり「マンデラ効果」か……

 このあと、スーパータカオさんにも協力してもらい、各地の講演会で確認したのですがね。
 やはり、小林亜星さんが亡くなられたという記憶がある人が、大分では出席者の50パーセント。大阪では40パーセント。東京では30パーセント。高知では40パーセント。滋賀県ではなんと、100パーセントだったのです。
 スーパータカオさんが言いました。
「こりゃ、とんでもないですね」
「うむ、これは『亜星』という名前自体に意味があるのかもですな」
「亜星ですか?」
「亜星の『亜』とは、『別の』という意味だよ。そして亜星とは、『別の星』『別の世界』と捉えることができる。つまり、『別の次元』なのだよ。
 多次元宇宙を表現する単位として、私は『亜星』を提案する!」
「亜星ですか!」
「うむ、過去も未来も、そんなに安定したものではないのかもしれない。
 例えばだな、ある男性が同窓会に出たら、亡くなったと思っていた茂夫くんという同級生が、生きていてビックリしたそうだ」
「ぇえっ!」
「ほら、よくあるじゃあないか。
 同窓会に出たら、同級生の変わりようにビックリすることとかね。
 かわいかった女の子が、あんなことになってたり、イケメンだった奴の頭が不毛地帯になってたり。茂夫だって生きてたりすることもあるさ。茂夫100パーセントだ!
「いくらなんでもそれ、変わりすぎですから!」
「スーパータカオさん! もはや我々は、この世界がそんなに安定したものではないと気づいてしまったわけだ。ならば、時空の動向に目を光らせておく必要があるのだよ。
 超常戦士として、時空パトロールに励むのだ!
時空フェスティバル
 ある日私は、東京で行われた時空フェスティバルに参加したのでした。
 メインは、未来から来た青いターミネーターと、ディズニー博士カガヤさん、そして私の3人です。
 主催者の、たっちゃんの演出により、オープニングでは、青いターミネーターは日本刀でポーズを決めていましたね。
 私とカガヤさんは、ジョジョ立ちしながら、中二病炸裂のオープニングを飾ったのでした。
「わぁー! 日本刀いいなー!」
 青いターミネーターは感激体質なので、
 すべてに対して
「わぁー!」
 という感激をします。

 彼は、時空を選ぶテクニックとして、「予祝」を提唱したのですな。
 予祝とは、時空を選ぶために、日本人が古来、行ってきた儀式なのです。
 時空は無数に存在するのですよ。望む未来の出来事を、「すでに起こってしまった」という前提のもと、前祝いをしてしまうと、その時空に入ってしまうのですな。
 青いターミネーターは、この儀式を現代に復活させ、人類の新しい未来を開こうと画策しているのです。
 参考図書『前祝いの法則』ひすいこたろう・大嶋啓介 著 フォレスト出版

「わぁー! わぁー! わぁー!」
 青いターミネーターの感激体質は、会場にいる人に共鳴するのですよ。
 そして、予祝の共鳴は、望む時空を引き寄せるのです。
 時空フェスで一緒に講演したディズニー博士のカガヤさんは、30年以上ディズニーランドに通いつめた男なのですよ。
 彼は時空フェスで、驚異のリピーター率を誇るディズニーランドの秘密を、暴露してくれました。
 カガヤ博士は、青いターミネーターから密かに妖精と呼ばれている人です。
 たしかに、なんかジーニーかムー○ンに似てるし。
 青いターミネーターと、ディズニー妖精カガヤの咆哮が会場に炸裂しました!

「ディズニーランドではぁあっ!」
「わぁー!」
「すべてのスタッフがぁあっ!」
「わぁー! わぁー!」
「掃除係なんですよぉおおっ!」
「わぁー! わぁー! わぁー!」

 ぁあっ! こんな異常な人たちと、同じだと思われてはならないっ! 私だけでも、常識的なことを語らねば!
「みなさ~ん、世界はたくさんあるのです!
 小林亜星さんが生きてる世界と亡くなられてる世界があるんですよ~。
 ひゃっひゃっひゃっひゃっ」 ※小林亜星さん、ごめんなさい

 ……………………

 あとで、主催者のたっちゃんから、「ケルマさんが一番常識的じゃなかったし」と突っ込まれたケルマさんです。


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