サイコ
恋愛小説。 偶然出逢ったサイコとサトルの物語。 『いえ。偶然などなく、全ての事象は必然なのです』 宇宙のみが知る、ツインソウルとの出逢い。 少々15禁描写ありの、ノスタルジーな物語。 ケロル・レイリコ処女作。 BGM : ヨルシカ『夏陰、ピアノを弾く』 全13話 R15描写あり 10話「発情」、13話「そして-最終章-」
戯言ポエム集です。
大好きな曲の題名である。 唐突だが、わたしは幼い頃から『暁』という漢字が好きだった。 何故、両親はこの漢字を自分の名前に入れてくれなかったのかと、改名する気満々で、広告の裏の白紙に何度も『暁』の名前を書いてみた幼少期を思い出す。 いや。今でも改名したいと、ふと思う時がある。 「親がつけてくれた名前に感謝しなさい」 空から声が聞こえてきて、ごめんなさいと思う。 おそらくこれは、魂が潜在的に好きな言葉のうちのひとつではないかと感じているが、何故好きなのか。こればかりは、自分自
落ちる 落ちる 堕ちて 堕ちて もうこれ以上行けない もう 穴掘るしかない もう もう 神様 ここらへんで 終わりにしたい 苦行は 疲れた もう神様 ここらへんで 終わりにしてもいいかなぁ 終わりにしたら 来世もまた同じ学び わかってはいるけれど 自分の闇が自分を襲う 「消えたい」 一筋の光を見つけて 自分のエゴを捨てる エゴを一枚剥いで 一枚捨てて 剥ぐ 捨てる そして 光を思い出す まわりの人々に 光を分ける 悲しみから
「逢いたい」 「キミに逢いたい」 だって 明日、死んでしまうかもしれないだろ? だって、 不慮の事故で、 明日召されるかもしれないだろ? 「今、逢いたいんだ」 「今を、キミと、生きたいんだ」 焦っていた。 自分の終わりを意識していたから。 焦らなくても良かったのに。 そんな自分のエゴが キミを苦しめた。 もう、逢えないかもしれない 二度と、逢えないかもしれない でも 『逢いたい』 そのホンモノの気持ちを殺さず 心では想い続ければいい 心では
しってるよ 消える方がイタイって しってるよ 消えなければならないりゆうがあったって あなたとは次元が違うぐらい低レベルだけど、 自分も 消えたことあるから だから すべて 自分に返ってくる 同じように 自分に ね。 あなたは自分を映す鏡 わたしが感じていることを きっと あなたも感じてた 苦しかったでしょう この欠落は まわりの人々への優しさに変えて まわりの人々への笑顔に変わる ヒトは イタイ想いをするほど 外側に 優しくなれ
まあこんなもんかと。 自分の人生を笑う。 まあこんなもんかと。 悲しくても笑う。 まだ ここにいろと? そろそろ終わってもいいんじゃないかな。 もう終わりにしてもいいんじゃないかな。 『えへへ。』 そうやって、 泣きながら空を見て笑う。 まあこんなもんかと。 心で泣いて 顔は笑う。 心で泣いて 顔は笑う。
この夏の終わりの匂いに まぎれて 僕の隠していた幻想が 溢れる 坂道を登りふと立ち止まる 振り返ったその時 キミがいない空 僕を狂わせる あの花火を肩を寄せて 優しい河原に ふたりで ここにいるよ あの日のまま 逢いたい ここで 今だけ ああ僕がいたことを想い出してよ ああ夏空 変わらずキミがいる なくして 気付いたキミの重さを この夏の空に投影して 僕はまた歩けるかな
再び夜に待ち合わせたサトルとわたしは、 田舎の居酒屋に入った。 昼間何回もキスをした唇が、 まだサトルの感触を残している。 「これが最後。自分で決めた未来。」
初夏。 気持ちの良い日差しに澄んだ空気。 わたしは、数ヶ月後。 この土地を離れて都会のオトコに嫁ぐことになっていた。 結婚を、決めてしまった。 そのオトコと結婚すると、決めてしまった。 この世界の何が本当なんだろう。 今、こうやって決めた未来を自分は歩いていく。 こうやって未来を決める時に、 「それでいいの?」 と問う、もうひとりの自分がいる。 「あの人への想いはいいの?」 「都会に住むでいいの?」 「それでいいの?」 「・・・それで、いいの。」 もうひとりの自
夏の初めの昼下がりの休日。 わたしは夫と中学生の息子のために、遅めの昼食を作っている。 何気ない家族の日常。 その「何気なさ」を守るために わたしは随分普通?の人間らしくなってきたなと、少し自分を笑った。 何気なく出会ったオトコ。 子犬のように震えていた夫は、 世界を諦めの眼差しで見つめていたわたしに、 「結婚して欲しい」 と言った。 夫は、親とも疎遠で、友人も少なかった。 今まで恋人がいたことはなく、 30代にして童貞だった。 自分が汚れで成り立っている魔物のように感
「ま、そんなとこかな。」 語り終えた後、わたしは明るく言った。 サトルの部屋。 狭いシングルのパイプベットの上で、サトルとわたしは添い寝していた。 お互いの心の内にある、塊みたいなものを打ち明け合った。 偶然、運命的に出会った『友人』サトル。 何故サトルには全て話せてしまうのだろう。 わたしは、何を話しても自分自身を受け入れてくれるサトルの包容力に甘えていたのかもしれない。 だが、何故か自分自身も、サトルの過去を受け入れられるのだ。 恋でもない、不思議な感情。 親子のよう
大学1年生。 地方の大学だったため、ほとんどの生徒が一人暮らしを始めた春。 初々しいわたしたちは、名簿の名前が近いもの同士で仲良くなり、連むようになった。 サークルはそれぞれ違っていたが、時々各々の家に集まった。 わたしは、タケ、シン、ヤスの男性3人。マオ、ミウ、わたしの6人で仲良くなり、よく遊んでいた。 タケとマオは付き合っていた。 ミウはシンを好きだった。シンもその気持ちを知っていて、よく一緒にいた。 そして、わたし。ヤスのことが好きだった。 だが、ヤスはマオに片
下北沢の小さな劇場は、最後に立った舞台。 変わらずわたしの前に神聖な姿を表す。 そこで演じる役者の面々。 そこに見える人間性。 わたしは人間が好きだ。本当に好きだ。 「ありがとうございました」 アンケート用紙に一言書いて、劇場を早々に立ち去る。 そこに立っていること、それ自体が素晴らしいと思う。 生活が苦しくないわけがない。 そこに全てをかける人。理由は何でもいい。意地でもいい。理由は何でもいいんだ。 そこに、「居る」ということ自体が素敵なんだ。 わたしは、下北沢駅から井の
田舎でのわたし。 東京から田舎へ戻り、実家で暮らし始めたわたし。 医療系の仕事に就き、 毎日変わらない日々が続く。 地方の大学を卒業し地元へ戻り、病院に就職した。 その後、「上京したい、芝居をやりたい」 と、両親に伝えた時、 母親は自分の首に包丁を突き付けた。 死んでやる! わたしは初めて母親を平手打ちし、包丁を取り上げた。全身を虚しさが覆った。 わたしはその時、人生で一番悲しい顔をしていたと思う。涙も出ないほどの悲しみが込み上げた。 『わたしの今までは 何だったのだ
オンナはオトコを待っていた。 片田舎の、無人駅に近い、ある町の駅で。 お洒落なカフェなどなく、 ただそこに佇み、 1時間に1本の電車の到着を待つ。 夕暮れ間近の駅。 数ヶ月前まで都会に住んでいたオンナは、 2両編成だけでこの町の動脈となっている電車を見て少し笑い、 「江ノ電みたいだな」 そう思いながら、田舎の風景を愛おしく感じていた。 サトルが来る。 わたしの心臓は高鳴っていた。 「好き」というのとも違う。 そう、サトルとの空間は、わたしの恋愛軸と別軸で存在している
人生酒場で求められ、通りすがりのオトコとキスをしても、わたしの中に入ることを許すことはなかった。 孤独を感じ、心が荒々しくなっても、 どんなに激しく舌を絡めても、 そのまま冷淡にそこを立ち去った。 いや、知らないオトコたちと舌を絡めること自体が異常事態なのだが。 夢を抱いて上京した。 夢破れ、最後の舞台で燃え尽き、涅槃に行った。 田舎へ戻り、ふわふわしている心。 帰る場所がある感謝と共に、まだ東京に後ろ髪引かれるわたし。 わたしの脳内の何かが崩壊していた。 崩壊していたが、
田舎へ戻った26歳のわたしには、 「感謝」 を知る術を学ぶために、 数々の矢が突き刺さってきた。 何かに縋るように、ある人を好きになった。 その人はわたしの親友のことを好きだった。 少し、心を病んだ人だった。 心を病んだ故の、そのオトコの振る舞いに、 どん底に突き落とされた。 心はいつもふわふわ片想い。 地に足がつかない日々が続いた。 聖書を読み、自分の小ささに泣いた。 でも、信仰を持つほど自分は忍耐強くないと思った。 自分の中に生まれる 妬み、嫉みとの戦い。 エゴが