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今更ながら「PDCAサイクル」について考えてみる

PDCAサイクルや試行錯誤といった言葉を知らないビジネスマンは少ないと思います。

ですが、これらは言葉の捉え方や個人の考え方によって、大きな差を生じていることも事実なのだと思うのです。

果たして、何が個人差を生んでいる原因なのでしょうか?

この課題に対しては多くの人が挑んでおり、検討案の数だけ結果が存在しているように感じます。

このように、乱立している課題スレッドに対して、私たちは、ついつい読み流してしまったり、美味しいとこ取りを狙ってしまいがちですが、それは明確に間違いなのではないでしょうか?

なぜなら、読み流しや美味しいとこ取りをしている段階で、すでに課題と向き合っている人間に比べ、PDCAサイクルや試行錯誤の回数が少ないからです。

回数が減れば、得る情報も少ないでしょうし、母数の少ない統計データほど、誤差は大きくなるものです。

ということで、今回は、今更ながら「PDCAサイクル」について再考してみたいと思います。

最後までお付き合いいただけると幸いです。



まずは、今回の再考について定義を設けたいと思います。

第一に、「PDCA」の順番を崩さないことです。

多くの検討者が自説を展開する中、順番に着目して自分なりの解釈でサイクルを構築し直す方がいらっしゃいますが、今回はシンプルに「PDCA」の順番は崩さないこととします。

また、重要性に着目した結果、「PDCA」の一か所を繰り返すようなサイクルを考案される方もいらっしゃいますが、そちらも除外します。

つまり、「Dから始める」や「PDDDCA(行動優先表現)」といった概念は考えません。

単純に「PDCA」とします。

第二に、別概念を持ち込まないことです。

「PDCAサイクル」には、繰り返し行われる業務についての強みはありますが、新規業務など暗中模索をせざるを得ない案件については、「OODAループ」といった意思決定と行動に関する理論に分があったりします。

試行錯誤と暗中模索は別概念ですよね。

ですから、「PDCAサイクル」を強化するために別概念を組み込んでしまうと、より活用が限定的になってしまうことから、今回はそのような手法は避けたいと思います。

以上の条件を付した上で、「PDCAサイクル」の中身について考えていきたいと思います。

…ちなみにですが、以後の内容は、あくまでも個人的な見解です。



「P(計画)」で陥りやすいのは、時間をかけすぎてしまうことではないでしょうか?

次の「D(行動)」をどのようにすればいいのか?と思案する時間と考えることも出来ますが、何より長考してしまう最大の原因は「失敗したくない」というハードルを自分に課してしまうことだと私は考えています。

せっかくなら、しっかりと計画を立てよう。

そうすれば、ちゃんと結果が得られるはず…。

…そう思いたいのではないでしょうか?

少なくても、私にはその傾向があります。

「PDCAサイクル」なのに、一回で済ませてしまおうと考えているのではないかと、最近になって思い返すようになりました。

「計画さえ、しっかり立てれば、ちゃんと結果に繋がる」というのは幻想です。

つまり、「P」を「計画」だと認識しているから、制約になってしまっているのだと思うのです。

もっと、「見通し」や「仮説」のように、漠然としたもので良いのだと思います。

大切なのは、2周目以降の立て直しであって、最初はどうなるのか楽しむ気持ちで臨むことが肝要ではないでしょうか。



「D(行動)」に求められるのは「量」だと考えます。

これは多くの人が主張しているように、どれだけ経験したのかが他のすべてのサイクルに影響を与えるからです。

「P(計画)」との関係性は「百聞は一見に如かず」という慣用句の通り、実際を知ることは、知識のみでは決して補完できない情報があるということです。

反対に「C(評価)」に求められるのは「質」ではないでしょうか。

KPI(重要業績評価指標)のように、何をどのように評価するのか。

定性的な情報も大事ですが、それ以上に情報を定量化しておかなければ、この「C(評価)」のフェーズは意味がないと思います。

また、「P(計画)」のフェーズで必要なのは、全体像を描くことよりも、「何を評価するのか?」を明確にすることであって、「D(行動)」よりも「P(計画)」が先にあるのは、そのためではないかと考えています。

評価なき行動は、経験に直結しないということです。

まあ、これは私の経験による見解なので、個人差が出るかもしれませんね。



最後に「A(改善)」ですが、「P(計画)」の項でも書きましたが、大切なのは決めきらないことです。

必ず、次のサイクルを回す余白が必要だと考えています。

私たちは、よく「計画倒れ」をしてしまうと思うのですが、これは「P(計画)」だけでなく、「A(改善)」にも潜んでいるモノだと思っています。

いくつもの改善策を列挙しても、私たちが一度にすべてを実行できる可能性は高くはないハズです。

むしろ、ここで高いハードルを設定してしまうことが「改悪」への落とし穴ではないでしょうか?

例えば、ダイエットが続かない原因の一つは、結果が出ないことについて、より高いハードルを設定してしまうことで、自らのやる気を削いでしまうことが挙げられると思います。

これは、「P(計画)」ではなく、行動し評価した後の「A(改善)」が、自分が継続できる質量を上回ってしまうことに起因しているのだと思うのです。

何度も申しますが、「PDCAサイクル」とは、サイクルを回すことです。

そして、サイクルを回すということは、継続するものだということであり、そのためには、ハードルを上げるのではなく、地に足のついた適正なハードルであることが必要だと考えます。

大きな変化とは、小さな継続の先にしか存在しないことを、この記事を書きながら、私自身、肝に銘じておきたいと思います。


ということで、最後までお読みいただきありがとうございました。

今回の投稿は以上です。

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