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静寂者ジャンヌ 第一部

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17世紀フランスを生きた静寂者ジャンヌ・ギュイヨン。無限の自由とやすらいを生きた彼女の生涯と瞑想技法。たましいのデトックス。エッセイ風の評伝。
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静寂者ジャンヌ 22 大拙・才市・ジャンヌ

「静寂者ジャンヌ」シリーズ、 前回の補足を書いて、それで第一部を終わりにして、 第二部「子…

(静寂者ジャンヌ 21) この新しい自由に、ぼくはただ、驚くばかりだった。

ジャンヌは、ついに夜明けを迎える。 長く苦しい〈夜〉だった。 ジャンヌの物語での、最初の…

静寂者ジャンヌ 20 今朝は、もっと、なんにもない。まったく、なんにもない。安らいも…

夜の底ジャンヌは、いよいよ、夜の底を突く。 * * * ジャンヌは、独りで、もがき続けた。…

静寂者ジャンヌ19 きみ自身を完全に忘れるように。 それは、自分を正そうとすること…

〈夜〉の絶望が ふと 無感の浮遊のような 安らいのトーンに 変わる時。 その鍵が、〈明け渡し…

静寂者ジャンヌ18 あなたは川に浮かぶ木片を気にとめたことがありませんか?

無感であること言葉が落ち イメージが瓦解し 自我がほどけ 渾沌の底へと沈んでいく。 自己の…

静寂者ジャンヌ 17 私の骨は、孤独と隔絶を呼吸するだけ。

これまで 前回を整理しよう・・・ ジャンヌは、〈夜〉のパッセージに入り、 精神的に弱ってい…

静寂者ジャンヌ 16 私のうちの何かが、叫ぼうとしている。でも、声が奪われてしまった。

              * * * 新たな試練静寂者ジャンヌの物語、 これまでを整理しよう。 ジャンヌは16歳で結婚させられた。 夫は癇癪持ちのスーパー・マゾコンだった。 姑ははげしく歪んだ性格だったようで、 徹底的に嫁いびりをした。 夫もそれに追従した。 「奴隷のような」結婚生活だったと、 ジャンヌは述懐する。 ジャンヌは、自己の人格的な尊厳を抹殺された。 そこから抜け出そうと、もがき続けた。 そんな折、よき修道士アンゲランと出会った。 自己の〈

静寂者ジャンヌ 15 私はあなたに値しませんでした

いちばんどりの鳴かないうちに ヴェールをかぶって外に出る。 家はまだ眠っている。 幸せの…

静寂者ジャンヌ 14 私は「偉いマダム」をやるために生まれて来たのではない

なんだか絵みたいになってしまった・・・ でも、写真なんだ。一応・・・ * * * ジャン…

ふりかえってみれば ( 静寂者ジャンヌ 13)

先回は、どうも、こなれてなかった。 規範言説とか、言説権力とか、 クワガタみたいな言葉が …

静寂者ジャンヌ 12 告白 ・ フーコー ・ ネッカチーフ

このあいだの満月と惑星 * * * どれだけジャンヌが八方塞がりだったか。 もっと、ジャ…

静寂者ジャンヌ11 森 ・ 『ロゼッタ』 ・ 焼尽

(ジャンヌの知らない海。穴町 Trouville ) * ジャンヌの暮らしていたモンタルジには、 今…

静寂者ジャンヌ 10  井筒俊彦 と 『嘔吐』

それにしても、 ジャンヌにとって〈沈黙の祈り〉が、 それほどまでに 自己の尊厳を守るシェル…

静寂者ジャンヌ 9 抵抗としての瞑想

こころの中に たましいのシェルターをみつけた ジャンヌは、 姑と夫に対して 自己防衛できるようになった。 何を言われても、何をされても、すっと、潜心に入れば、平気だった。 でも、そうはいっても、最初のうちは、ふと、潜心が途切れてしまう。 すると、元の木阿弥だった。 やっぱり、二人の虐待に泣いてしまう。 * そのうち夫と姑は、ジャンヌが妙なことをしているらしいと、感づいた。 〈沈黙の祈り〉を見破った。 それまで二人は、服従としての沈黙をジャンヌに強いてきた。 けれど