ケンワタナベ

映画と写真と本と食と職の話。面白いの正体が知りたい人。イギリスと関西のダブル。気楽にエ…

ケンワタナベ

映画と写真と本と食と職の話。面白いの正体が知りたい人。イギリスと関西のダブル。気楽にエンジョイ。コンテンツのスクランブル交差点工事中です

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  • これからの成長に役立てたい資料【編集・文章編】

  • これからの成長に役立てたい資料【人間編】

  • これからの成長に役立てたい資料【デザイン編】

最近の記事

    • 待ち望んだ日々の隙間。なのに迷子

      嵐のような課題が1日を吹き飛ばす。気がつけば1週間は風の彼方だ。 毎日やるべきことがあって、毎日自分の課題に出くわして、毎日時間が足りない。望まずしてかというとそうでなくて、この日々は自らの希望と運によってもたらされた。 とても幸運に思う一方で、平等に明日が来るのがちょっと怖くもなる。できることも時間も全然足りてないってわかるから。自分がいちばん忙しいだなんて露ほども思わないけど、「明日が来ちゃった」じゃ済まないのよ。こっちはあれもこれもやりたいし手に入れたいのよ。 こ

      • 飢えの果ての名声『天才作家の妻 -40年目の真実-』

        「作家は絶えず書き続けていないと飢えてしまう」 『天才作家の妻 -40年目の真実-』という映画を観たので、それについて。 これはメグ・ウォリッツァーという方の書いた『THE WIFE』という小説が原作の物語だ。 天才作家と評され、傑作を世に送り出し続けてきたジョゼフ・キャッスルマンとその夫妻のもとに、一本の電話が掛かってくる。 「ノーベル文学賞があなたに決まりました」 ふたりはベッドの上で飛びあがって喜び、友人やこども達も大いに湧いた。だが、そこには大きな秘密がある、と

        • どこにでも物語はある。『ROMA/ローマ』

          Netflixの躍進がとどまることを知らない。それを象徴する一本の映画が アルフォンソ・キュアロン監督の『ROMA/ローマ』だ。 『ROMA/ローマ』は1970年、揺れる社会情勢の不穏な空気が流れる、メキシコシティ近郊の街「ローマ」を舞台に、中流階級の一家と、その家政婦の暮らしを全編モノクロで描いた作品。 計算し尽くされたカット割とカメラワークが印象的な一本だ。観ている側に没入感を与えるまではいかない。ぼんやりと眺めていた窓の向こうで、流れていたどこかの日常を、改めて観

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        • これからの成長に役立てたい資料【編集・文章編】
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          コイントスみたいな生と死。『バスターのバラード(The Ballad of Buster Scruggs)』

          ジョエル&イーサン・コーエン兄弟の『バスターのバラード(The Ballad of Buster Scruggs)』という映画を観たので、それについて。 バラードというのは今ではポップ音楽のイメージが強いけど、そもそも英語としてはバラッドという発音になる。日本では意味が錯綜している言葉なのだ。このバラッドの特徴について一部引用しておく。これがとても重要だ。 英詩の一種。民衆の間に伝承されてきた抒情的な物語詩。舞踊や音楽を伴うことが多い。次のような特徴が認められる。 (1

          コイントスみたいな生と死。『バスターのバラード(The Ballad of Buster Scruggs)』

          2018年を振り返って痛感したこと

          2018年を振り返ってみる。ぼくは勢いに任せてたくさん行動したつもりだった。しかし最終的に、圧倒的にじぶんに足りないものを見つけたのでここに書き残しておこうと思う。 簡潔にいこう。 ぼくに圧倒的に足りないのは、「経験」と「提案」だ。 ほんとうのほんとうに当たり前のことだけど、実現したい価値観があるのなら、それを語るだけではダメで、少しずつ経験を重ねていかなくてはならない。 そしてその価値観を実現するためにやりたいことがわかったのなら、そのための提案ができなくちゃいけな

          2018年を振り返って痛感したこと

          パリとアムステルダム、歴史と芸術の旅。【アムステルダム後編】

          今日もだらだらとヨーロッパ旅行記を綴る。前後編に分けたとか言いながら、今回もしっかり長いが気にしない。 * アムステルダム中央駅前で売っているシティカードを買うと、カードの期間中はクルージングも、トラム(路面電車)も乗り放題になる。種類にもよるけど、美術館の入館料も込みのカードもある。こちらも全旅行者にオススメだ。 ぼくらはトラムに乗って、ファン・ゴッホ美術館にやってきた。アムステルダムは運河が有名なだけあって、地下鉄を張り巡らせるのには向いていない。だからなのか、みん

          パリとアムステルダム、歴史と芸術の旅。【アムステルダム後編】

          パリとアムステルダム、歴史と芸術の旅。【アムステルダム前編】

          続けちゃう! ロンドンへ帰る従姉妹たちを見送った次の日、ぼくらはアムステルダムへ行くために、駅に向かった。タクシーの運転手に「Gare du Nord(パリ北駅)」と伝えたのだけど、また別の「Gare du Lyon(リヨン駅)」と聞き違えられてしまったことで電車に乗り遅れた。しかも2時間ごとにしか高速列車は出ていないので、おばあちゃんはプンスカ状態。 そうは言っても、どうにもしようがないので、パリ北駅の目の前にあるカフェで一息つきながらのんびりと過ごすことに。 カフェ

          パリとアムステルダム、歴史と芸術の旅。【アムステルダム前編】

          パリとアムステルダム、歴史と芸術の旅。【パリ編】

          もう一ヶ月も前のことだが、パリとアムステルダムに旅をした。旅の目的はゴッホ美術館に行くことだった。それが祖母の夢のひとつだったのだ。今回は旅の前半、パリ編をお送りしたい。 フィンランドのヘルシンキ空港を経由して、まずはパリへ。飛行機の中では、3本の映画を観た。やりたいことはどこへ向かおうとも変わらないのである。 先にパリに来たのは、ロンドンに住む従姉妹がパリならば2連休を利用して来れるということと、パリに住む祖母の兄、大叔父さんのボブに会いに行くためだ。そう、ボブである。

          パリとアムステルダム、歴史と芸術の旅。【パリ編】

          ポール・マッカートニーが歌ってくれたこと。

          11月1日に痛烈に感じたことをここに残しておこう。 音楽界の伝説、ポール・マッカートニーが日本にやってきて、ぼくの目の前で歌をうたった。2階席だったから、正確には豆ツブくらいにしか彼の姿を確認することはできなかったのだけども。 ああぼくもアフリカの狩り部族ぐらいの視力があれば、はっきり見えたのかしらね。と、ちょっとブーたれはしたものの、何度も何度も聴いたビートルズの音楽を、生で聴くことができた。感激とはこのことである。 やっぱりなのか、周りの人の年齢層は高め。ぼくたちは

          ポール・マッカートニーが歌ってくれたこと。

          『君の名前で僕を呼んで』は"戸惑い"を見事に描いた最高の芸術作品でした。

          『君の名前で僕を呼んで』という映画を観た。 原題は Call me by your name そのままである。しかし芸術的で良いタイトルだなあと感じる。 ついに観ることができた。ずっとずっと、待ちわびていた作品だ。今日はこの作品にいたく感動した気持ちと、この映画が名作であると感じた3つの理由について考えたことを綴っておこうと思う。 ストーリー北イタリアの避暑地で過ごすエリオとその家族のもとに、 エリオの父の仕事のインターンとして、大学院生のオリヴァーが訪れた。 眩しい一夏

          『君の名前で僕を呼んで』は"戸惑い"を見事に描いた最高の芸術作品でした。