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【コラム】「難民」と安易に使わないでほしい

 あまり言葉狩りをしたいわけではないのですが・・・。本日の朝刊の見出しを見て、少し悲しい気分になりました。

 人手不足により、介護サービスの担い手が減って、サービスが停止になった・・・というような趣旨の記事でした。その見出し。

 「難民」という言葉を安易に使ってほしくない、と思いました。

 私自身、数年前まで、情報が届いていなかったり、サービスがされていなかったりした場合に、「難民」という言葉を使っていました。

 しかし、2022年2月のウクライナ侵攻開始により、ウクライナ避難民支援にも携わるようになり、より、難民支援に携わるようになりました。そして、難民支援をしている団体の方にも多くのアドバイスをもらうようになりました。そして、その支援団体の皆さんは、この「難民」という言葉を使うことに慎重になられています。もちろん、その難民の皆さんの苦しい生活などを知っているからこそ、だと思います。

 難民とは、

人種、宗教、国籍、政治的意見または特定の社会集団に属するという理由で、自国にいると迫害を受けるおそれがあるために他国に逃れ、国際的保護を必要とする人々と定義されています。
この定義では、自国における平時と戦時の区別をしておらず、国際的・国内的な武力紛争や戦争から他国に逃れてきている人々も、上記の定義に該当するのであれば「難民」とします。

UNHCR「難民とは」

と定義されています。私も、ウクライナ避難民と接し、「一日に何度もアラートが鳴る」「仕事場が入居するビルが攻撃を受けた」「家から歩いて5分にミサイルが落ちた」―など、本当に苦しい状況を聞きます。また逃れてきた先の日本でも、なかなか日本語が身につかない、仕事が見つからないなど、置かれる状況をみると、心苦しく、何か彼女たちのためにできたらと、いろいろと頭を悩ませています。政府として避難民の受け入れを表明したウクライナ避難民に比べ、アフガニスタンやミャンマー人などの苦しい状況も見聞きしています。

 UNHCRによると、世界で「難民」は2022年時点で1億840万人、2023年に入ってからはスーダン等でも内戦が勃発し、その数は1億1000万人に到達しています。

 このような状況を見聞きすると、安易に「難民」という言葉を使ってほしくない、と思うのです。もちろん、苦しい状況にいらっしゃる方もいると思いますが、「弱者」などの言葉を使ってほしい。かつて、安易に使った私の反省も込めた訴えです。

サポートをお願いします! ウクライナ避難民の定住化や、終戦後に向けた復興、外国人材受け入れの生活環境整備など、基金として活用させていただきます。