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ノマドリスト日本版をつくりました: 都道府県テレワークランキング

現在カナダはトロントで働いていますが、会社が「世界のどこから働いてもいいよ」と言ってくれているので、日本への帰国を検討しています。

そのときに、いったん白紙状態から日本の移住先をくまなくみてみようと思い、「日本 移住先」などで検索しますが、メディアのランキングスナップショットしかでてきません。

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賃貸サイトの場合は、まずは大まかなエリア(最低でも都道府県)を区切ってからでないとソート、フィルター可能なリストにたどり着けません。

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おそらく通勤、通学などの場所ありきで探すのが当たり前だからでしょう。

「場所は日本全国、全てを一元的に比較したい」というニッチなニーズを満たすために、今回下記のサイトをつくりました。

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実は世界の主要都市に目を向ければ、自分がほしかった機能のサイトはすでにあります。https://nomadlist.com/ というものです。

ノマドリストを知っている人には、これの日本詳細版というと、伝わりやすいかもしれません。日本の都市もいくつかはノマドリストに掲載されているのですが、地方・田舎も候補にいれて探したいので、独自のものをつくりました。

どうやってつくったか

Nomadlistの作者は、ありがたいことにサイトがどうやって誕生したかというものを細かく書いてくれています。

評価軸は、主に二つです。

1. Cost of Living (生活コスト)
2. Quality of Life (生活の質)

生活コストに関しては、自分と妻の過去の消費内訳から考え、家賃を主な基準としました。食費や日用品については、日本は比較的揃っていると考え、現在は考慮にいれていません(この前提が間違っている場合はぜひ教えてください)。

生活の質は、なかなか難しい基準です。https://www.numbeo.com/quality-of-life/in/Tokyo などを参考にすると、一般的には

1. 安全性
2. ヘルスケアの充実度
3. 過ごしやすい気候か
4. 交通渋滞、大気汚染

などが評価の軸になっているようです。

自分が欲しいものを表示させたいため、一般的な基準よりも重要なものがないか考えると、

1. ネットのスピード、安定性
2. 見晴らしの良さ
3. 緑、公園などが充実しているか
4. 人口が密集していないこと
5. 日用品が苦労せずに揃うこと(日々の買い物)
6. 身体を気軽に動かせる場所があること
7. エンジニア コミュニティがあればプラス
8. アウトドアアクティビティがあればさらにプラス

などが出てきました。

これらを考慮して、まずは下記の複合指標で生活の質を暫定的に出しています。

1. ネットのスピード
2. 気候の快適さ
3. 交通の利便性

データを取得する

賃料は、https://www.chintai.net/rent/ を、ネットスピードは https://minsoku.net/ を使わせていただきました。

気候情報に関しては、生データをどう「快適さ」という尺度に変換するかが大事です。https://www.numbeo.com/climate/indices_explained.jsp ではかなり分かりやすく気候情報のインデックス化が書いてあり、まずはこれをそのまま使用します。気象情報の元データはこれです。

現段階で探せなかったのは、「都道府県より細かいレベル」での、月ごとの最高湿度、最低湿度。気象庁の最も細かいレベルであろう集計データをダウンロードしても、最低湿度と、平均湿度しか探せませんでした。

まずは温度のみを考慮にいれて、次に進みます。

交通利便性を加える

交通利便性に関しても、色々なデータが存在します。都道府県別ですでにある程度まとまっていたということで、上記の Yahoo JAPANさんの分析を使わせていただきました。

スコアとしてまとめる

各値が取得できたところで、それをどうやって一元化するかという問題があります。自分なりの重み付けを考えた結果、今は下記の計算でスコアを算出しています。

賃料、ネットスピード:自分が許容できるレンジを決め、その間で数値が悪くなるにつれスコアを徐々に下げていく(上限に達したらスコアは0)

気候の快適さ、交通の利便性:値を偏差値に変換し、上限と下限のレンジを定めて、そのあいだでスコアが推移するようにする。

それぞれのレンジですが、個人的な感覚で(賃料:8万円~16万円 ネットスピード:10Mbps~30Mbps)偏差値に関しては上限(マックススコア)60、下限を30としてみています。

今後どうしていきたいか

まずはみなさんの感想、フィードバックを聞きたいです!それ次第で、どこまで改善するか、また市区町村まで細分化するだけの価値があるのかを知ることができます。

妻の話を聞いてみた

地方都市が重み付けされるようにしたい、というリクエストをいただきました。人口、人口密度の上位100位、また転入が転出を上回っている市をみているとのことでした。

- ある程度以上の都市機能があること
- 衰退していないこと
- 災害リスクが少ないこと

という項目の追加リクエストをいただきました。

つくっている最中に学んだこと

1. 完成する前に、この「紹介記事」を執筆する

スキマ時間で開発を続ける時に、紹介記事をまず書くことで、モチベーションの確保+タスクの再確認が常にできます。

2. つくりこみすぎない、でも怠けない

機能の進捗がある程度安定して出せる状態になってきたとします。そのときに機能追加以上に大事なのが「デザイン」です。自分が考えていることを、サービスの一連の出入り口、内部構造をもって説得力のあるストーリーとして「コンバージョン」できるか。

たとえば「テレワーク」「リモートワーク」どちらの言葉の方が伝わるのか、というのも自分の感覚と異なる場合があります(リモートワークだと思っていたら、Google Trendsはテレワークを推してきた)。

途中で迷いが生じた時に、一旦「自分はどんなストーリーを提供しようとしているのか」に立ち返って、下記のメモを書きました。

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テレワーク・リモートワークをしやすい都道府県ランキングをつくりました。Japanese Nomadlist

ユーザーストーリー
- みてみる
- ランキングで「はぁ、ほぉ」と言わせる。
- どうやってつくったかを目立たせる。
- 記事に飛べるようにする。

- クリックすると、詳細が分かるようにする。
- 情報が豊富である(信頼できる)ことを分かってもらう。

- 更新されるものであることを明確にする。更新頻度を書く。

- 出口が分かるようにする。
  + その地域の賃貸物件
  + その地域の移住ポータル

- 何かしらのリアクションが取れるようにする。
- Pros/Consが生の声が入れられるようにしておく。

- 入れて欲しい尺度が申し込めるようにしておく。
- それぞれの尺度をカスタマイズできることも書いておく。

- フリーのイメージ、動画を用意しておく。

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FB Messenger上で思いついたときに書き留めた導線メモ

3. サイトがアクティブな感じが出せるか

コンテンツをさらっと並べてみただけだと、「このサイトは更新が止まっているな」と訪れた人が思いそうな予感がしました。

本などとは違い、ネット上のコンテンツは生きていてなんぼです。サイトが動きだきそうなイメージがつかめた方が、楽しいものがつくれる気がします。だからといって安直にユーザーのコメントをつけれるようにしよう、ということではなく、そのサイトが動いている状態というものがなんなのか、考え続けるようにしたいです。

読んでいただき、ありがとうございます!ぜひ感想、フィードバックサイト上でお寄せください。

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ここらから先は作業ログです 🙇‍♂️

作業ログ自体に価値を見出す人もいるかもと思い、そのまま残しておきます。

いよいよあと少し

作業項目として、もうちょっとのところまできました!

- Detailページの写真を、その地域のものに限定する
- ✅写真をキャッシュする
- ✅地域行政を都道府県ごとにカスタマイズ
- ✅GoogleMapを都道府県ごとにカスタマイズ
- ✅ 物件サイト飛ばし先をカスタマイズ
- ✅移住ポータル飛ばし先をカスタマイズ
- ✅スコアの算出とDisclaimerを、Indexページ冒頭に配置(これは自分の希望に大きくバイアスがかかったスコアです)

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こんな感じのデザイン

作業ログ Jan. 13th 2021

実際に住んでみたい場所を決める前には、定量化できない情報も必要です。そんなときは、https://nativ.media/4174/#a35 こういった場所から飛べる先にある「移住者インタビュー」などへすぐ飛べるようにしておくと、便利でしょう。

また、賃料の他に https://www.stat.go.jp/data/kakei/ を使うと、Living Costの情報の質をあげられます。検討中です。

また、COVIDが収まってからの話ですが、海外や都市部にアクセスする生活が考えられます。そのために長距離移動手段(飛行機、新幹線)へのアクセス時間もいれたいです。

カフェの数都道府県別ランキングや自然公園数ランキングもありましたが、よく考えたら実際に住む場所の近くに数個あればいいので、都道府県としての情報としてはオーバーキルな気がします。

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知りたいのはこういうこと

都道府県という粒度が気に入らなければ、政令指定都市、中核都市、などの粒度を使って、より詳細な情報に変える必要があるかもしれません。https://uub.jp/prf/shitei.html

地域別の粒度でランキングを出してくれる便利なサイトも見つけました。上記やるときはこれが便利そう。
http://area-info.jpn.org/FornPerPopAll.html#area102024
http://area-info.jpn.org/CrimPerPopAll.html#area102024

実際にどこに居を構えるのかで、その後の展開が全く変わってきそうです。希望条件で賃貸サイトリストに1クリックで飛べるようにしておくと親切そう。https://www.homes.co.jp/chintai/kochi/kochi-city/list/

地方はご近所付き合いが濃厚です。そういうことも忘れないために、Google street viewで物件候補や都市の町並みがどれだけ「田舎」「地方都市」なのか確認したいですね。

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https://www.city.saijo.ehime.jp/soshiki/sportskenko/climbingpark-gaiyo.html 一点突破の趣味、生きがいがあれば、それで絞るのは正攻法ですね。妻の場合は手芸、アトリエ、洋裁などの属性が近いコミュニティがあるかというのが大事だと勝手に想像しています。

http://tosahamono.com/ 高知の移住応援サイトのFBフィードで、この「鍛冶屋創世塾」の案内が出てきました。やりたいことのイメージがわく案内は素敵。

あと、色々みたあとに「知り合いがいる地域」がすでにあるなら、それは確実かもしれませんね。 

このサイトのイメージの切り口としてありだなと思ったのは、https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2101/07/news090.html こういう視点を提供してくれるものを、常にフィルタ・ソートできる形でウェブ上に置いておくこと。

ネットスピードについて他にみつけたもの
https://www.nttdocomo.co.jp/area/effective_speed/
https://www.softbank.jp/mobile/network/service/speed-survey
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/broadband/index.html

終わり。ここまで読んでいただき、本当にありがとうございます。Twitter・Noteでのフォローお待ちしてます。



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