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『別府歴史の旅』#4「一遍上人と鉄輪蒸し湯」

 別府八湯の一つである「鉄輪温泉」。その原点とも呼べるのが、一遍上人蒸し湯です。
 鎌倉時代(1276年頃)、時宗の開祖である一遍上人が鉄輪を訪れ、熱湯や有毒なガス(蒸気)が噴出している状態、いわゆる「地獄」を鎮め、「温泉療養の場」として鉄輪に湯治場を開きました。

 つまり、鉄輪にとって、一遍上人は温泉や湯治の開祖であり、地元の人たちは一遍上人を大切にしてきたのです。

 そんな一遍上人が創設したのが、「鉄輪蒸し湯」です。鎌倉時代から現在まで700年以上もの伝統が続いています。


 「鉄輪蒸し湯」は、鉄輪の豊富な温泉成分で熱せられた床に「石菖」という薬草が敷かれており、その上に仰向けに寝る蒸気サウナのようになっています。

 この「鉄輪蒸し湯」こそが、鉄輪温泉の中心であり、「松葉杖をついた足の悪い人が、むし湯に入ると足が治って、松葉杖を置いて帰った。」という逸話が残るなど、多くの湯治客が癒されてきた唯一無二の場所です。

 写真の右上に松葉杖がみえる

 ≪次回≫
『別府歴史の旅』#5
「別府の発展は港から」

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