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実際にあった巧妙な責任転嫁の手法

何かミスをしたとき、誰でも一瞬はその責任から逃れたいと思ってしまいます。
ただ、多くの人は責任を認めて謝罪なり行動変容を起こそうとします。
しかし、一部の人は巧妙に責任を転嫁し、さらに自分のポジションを上げようと画策してきます。
今回はその辺の話を、実際に見たことを多少ぼかしつつ書いてみたいと思います。

前提

A 仕事の上司
B Aの部下

Bが誰でもできるような作業で同じミスを連発。
普段は温厚なAがキレて叱責。
誰が見てもBに責任がある。
ここからの責任転嫁です。

1 まずは被害者ポジションをゲット

まずBは業務云々を完全に棚に上げ、Aの叱責について「怖い」「傷つく」「その言い方はない」と被害者ポジションを取りにいきます。
この時点で本題は棚上げされ、論点はズレています。
Aの叱責が本当にパワハラ、人格攻撃レベルならBは被害者となりますが、責任転嫁が目的の人は社会的に通用するレベルの叱責でも積極的に被害者ポジションを取りにいきます。
そのことでさらにAが怒りを増すと、Bの被害者ポジションはより強固になっていくので、もう既に蟻地獄にはまっていると見ていいでしょう。
しかし、本当に怖いのは次です。

2 被害者からカウンセラーポジションに移行

被害者を装っていたBは、機を見てカウンセラーポジションに移行します。
カウンセラーポジションとは、
「ねえAさん、どうしたの?」
「今日変ですよ?」
「なんでそんな風に怒るの?」
「何かありました?」
「私でよければお話聞きますよ…」
と、まるでカウンセラーのように相手をいたわり、話を聞く姿勢を取ることです。
一見自分を叱責する相手を気遣う聖人のように見えますが、実はこれは策略です。
こうすることにより、<Aがプライベートで何かあった>→<それが原因で自分にきつく当たってくる>→<Aの叱責はA自身の心の問題>と、本来自分にあったはずの責任をAに転嫁することができるからです。
さらに、自分=カウンセラー、A=患者という役割を振り当てることで心理的にAの上に立つこともできます。
また、第三者に対しても、叱責してくる上司を気遣う優しい部下という印象を与えられます。
これがハマれば、

責任転嫁
上司へのマウント
人望を上げる

と、一石三鳥を得ることができます。
まあ、だいたいは冷静な上司に「話をすり替えるな!」と潰されて終わりますが、ちょっと鈍い上司ならほろっとほだされて丸め込まれてしまうかもしれません。
ちなみに僕も以前とあるグループ内でこのカウンセラーアタックをされたことがあり、「何もないですよ」と何度言っても相手が食い下がらず、ちょっと怖かったです。
どうしても相談されるポジションをゲットしたかったのでしょう…
その後その人とどうなったのかは覚えていません。

いい人のふりをして罠を仕掛ける人が怖い

こうやっていい人のふりをして罠を仕掛ける人は結構います。
正に「巧言令色少なし仁」です(論語)。
何千年も前からこういう輩はどこにでもいたんでしょう。
気を付けたいものです。

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