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どうやらもうエンタメ小説が読めなくなったらしい

ユルスナールの「ハドリアヌス帝の回想」をなんとか読了し、積ん読していた某エンタメ小説を読み始めました。
すると1ページ目から「ん?」と違和感だらけ。

人物描写は簡素すぎて人間が全然みえてこないからイメージできないし、世界観も最低限の描写のみ、そのくせストーリーだけはやたらと先々進むので作品世界を十分イメージできずおいてけぼり。
確かにさっさと読めるし、ページも飛ぶように進んでいけますが、人物も出来事も「こういう人がいます」「こういうことをしました」「こういう世界です」という概要しか書かれていないので、作品に入っていきようがない。
どこまで読み進めても『だからこいつどういうやつやねん?』『このときの気持ちはどうなん?』『そこはどんな街?』と疑問だらけでイライラ。
正直晦渋なユルスナールよりも何倍も苦痛を感じ、30ページぐらいで断念しました。

エンタメ小説ってこんなんでしたっけ?
ちなみに僕が読んだ作品はベテラン作家さんの直木賞受賞作です。
もちろん、破綻はないですよ。
そこはプロの作品なので当然です。
ただ、あそこまで人間を描かない、風景もごくごく簡単な説明だけとなると、じゃあ何を楽しんだらいいのかと呆然としてしまいました。
たぶん話の筋だけを追っていけば楽しめるんでしょうが、それってもうラノベでは???

まさか箸休めに選んだエンタメ小説でこんなに苦痛を感じることになるとは思いませんでした。
純文学読みすぎてもうエンタメ小説が読めなくなったようです。
と言うとなんか鼻にかけてるみたいで嫌なんですが、正直な感想なので仕方ありません。
今後はもうエンタメ小説は読まないようにします。

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