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大ヒット読み切り!『ルックバック』を読みました。

7月にジャンプ+で読み切りマンガが発表されました。
1日で250万を突破する大ヒットとなり、Twitterでも話題にあがりました。
webで1度読んだのですが、単行本も購入して再読したので、感想を綴ります。

あらすじ
自分の才能に絶対の自信を持つ藤野と、引きこもりの京本。田舎町に住む2人の少女を引き合わせ、結びつけたのは漫画を描くことへのひたむきな思いだった。月日は流れても、背中を支えてくれたのはいつだって――。唯一無二の筆致で放つ青春長編読切。出典:Amazon ※画像の出典もAmazon

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余白があることで感情が伝わる

一番印象に残っているのは、マンガを褒められたことに歓喜する雨のシーンです。このシーンはセリフがありません。絵だけで表現されています。直前まで、素っ気ない態度だったのですが、人目につかなくなって、たまっていた感情が徐々に大きくなる魅せ方が印象に残っています。

本書では全体的に、感情の最高点のシーンにはセリフがありません。
これの書き方が非常に興味深いです。

感情が動くだろう情報が提示されて、手や足、表情が少しずつ動いて、
最高潮は絵だけで表現されています。この魅せ方が好きです。
現実でも、発言よりも先に表情が変化することも多いですし、
悲しいときに、悲しいとは言いません。

このセリフがないシーンがあるからこそ、読者の想像が膨らむのでしょう。
感情が動くだろうインプットと表情、体の動きで気持ちが表現できることを発見しました。

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マンガにおける季語

主人公が絵を描いているシーンもセリフがありません。
机に向かっている背中が描かれており、ポーズはあまり変わらず、服装、窓の景色、スケッチブックの数が変わっています。

このシーンでは、「マンガにも季語がちゃんとあるんだな」と感じました。

マンガを書いている背中のシーンには、季節を表す何か、時間の経過を示す何かがしっかり描かれています。木の茂り方、長袖半袖、カレンダー、継続した成果物(スケッチブック)、身長、髪型などが時間の経過や変化を感じさせてくれます。

おそらく、季語はマンガの世界と現実を結びつけるのりしろのような役割があるのでしょう。季節という前提があるから、リアリティの増すセリフや表情があるのです。例えば、マフラーを巻いていてでジャンバーを着ているから、「(屋外にいて)「早く部屋に戻ろうよ」」というセリフに説得力があるのでしょう。(本書に↑のセリフはないですが、、)

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これ以上書くと、ネタバレになってしまうので、ここまでにします!
『ルックバック』は読めば読むほど、考察ができそうなマンガなので、一読してみるのはどうでしょうか。

こちらの解説記事もすばらしいので、読後に読むとよいかもしれません。

最後まで読んでいただいた方、ありがとうございました。

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