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AIは思考や創造性を持つことができるか?

私はAIを使ったアート作品を作っているが、AIが思考や創造性を持つかを考えさせる作品を作った。

機械詩の部屋

鑑賞者は詩のテーマを紙に記入し、黒い箱に投入する。数分後に箱からプリントアウトされた詩が2枚出てくる。1枚はAIが自動生成したもの、もう1枚はAI特有の文体を模倣した人間によるものであり、一見すると見分けがつかない。シンギュラリティの議論が盛んにされる中、将棋や囲碁の世界ではAIの指し手から棋士が学ぶといった逆転現象が起きている。本作ではクリエイエィビティの領域において、人間がAIを模倣するという転倒した構造の導入を試みる。

チューリング・テスト

この記事でも紹介をしたが、AIが詩をつくるシステムを構築していた。今回はこのシステムを使って、人間とAIを比較することで、AIが思考をもつことや、創造性をもつことについて考えさせる作品を作った。

作品の着想はチューリング・テストと呼ばれるテストを参考にしている。チューリング・テストは以下のように行われる。

人間の判定者が、一人の(別の)人間と一機の機械に対して通常の言語での会話を行う。このとき人間も機械も人間らしく見えるように対応するのである。これらの参加者はそれぞれ隔離されている。判定者は、機械の言葉を音声に変換する能力に左右されることなく、その知性を判定するために、会話はたとえばキーボードとディスプレイのみといった、文字のみでの交信に制限しておく。判定者が、機械と人間との確実な区別ができなかった場合、この機械はテストに合格したことになる。

今回は詩のお題を体験者に入れてもらい、アウトプットとして人間が書いた詩とAIが書いた詩が出され、体験者にどちらが人間の書いた詩でどちらがAIが書いた詩かを考えてもらうというもので、簡易的にチューリングテストを体験できるパフォーマンス作品である。

人間がAIを作り、そのAIを人間が模倣する

将棋の棋士である藤井聡太二冠がAIを使って、将棋の実力を伸ばしたように、今回のパフォーマンスもする人間もAIの詩の作風を何千枚と見て、詩を作成している。
ただもともとのAIもその人間が作っているという転倒した現象が起きている。
今後AIが進む中AIとの共存は必須であり、このような現象は日々増えると予想する。

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