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人間とAIの共創できるのか?

前回の記事でトレンドワードから詩を生成するAIについて紹介をしたが、この考え方を推し進めて人間とAIが共創する作品を作った。

行間 LINE/SPACE

大量の文章を学習したAIが、誰もが知る二文の間に行間を発生させる。
本作では、作成プロセスを可視化するとともに、ベクトルの位置を徐々に移動させたり、異なる文章間を横断させたりすることで、歴史的な言葉を定量的に操作する光景を作り出す作品である。

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活用しているAIは前回のものと全く同じである。人間が作った二文ここでいうと、
A:祇園精舎の鐘の声
B:諸行無常の響きあり
として、間にテキストのモーフィングをかけた。これにより、人間とAIの共創を図った。

2文の開きが創造性を掻き立てる

「風が吹けば、桶屋が儲かる」を例にして、議論を進めたい。人はある文章のとしてこの2文を読んだ時に、人間は自然と何故を追い求め、その「行間」を補完しようとする性質がある。

A:風が吹けば。
B:突風で砂埃が立つ。
C:視力を失う人が増える。

論理展開が自明な2文、ここでいうとAとBもしくは、BとCに対して、その2文だけを提示されても納得をするだけで、想像力は働かない。

A:風が吹けば。
C:視力を失う人が増える。

この2文を見ると、人は視力を失う人が増えるのかを考え、風が吹いたから視力が失われる病原菌が蔓延したのか、砂埃が目に入ったのか、論理の飛躍を埋めにいく。

A:風が吹けば。
H:桶屋が儲かる。

しかしこの2文にあまりにも関連性がなさすぎると人は想像することを諦めて、理解不能な二文になってしまう。

今回狙った文章生成は、上記でいうと、A→C程度の飛躍を狙っている。VRAEの空間上にプロットすることで良い感じの論理の飛躍が生まれているように思える。(ものによってはA→Hになっているものもあるが。。)

まとめ

「行間」という作品を通して感じたのは、人間が創作活動を行いながら、その創作活動を補助する形でAIが活用される日も近いのではないかということである。
AIは決して、人間の創造性を奪うものではなく、想像をブーストする形で働くべきで、今回の作品を通して、その一端を表現できたと思っている。

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