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名もなき写真

僕は名もなき写真を撮り続けたい。名もなき写真家でありたい。主張せず、競争せず、高め合わず、個性を潜らせていく。

誰が撮ったのかもわからない写真。その時代に多く溢れていたような写真。何を思って写したのか。何が伝えたかったのか。向き合うことがなければ、知ろうと思わなければ、大した価値のなさそうな写真。

それでも、そこに写る風景が自分がもう一度見たい未来の景色であることを祈る。誰かにとっても懐かしい景色であることを願う。

没個性だとか、アノニマスだとか、印象派だとか、難しい言葉で分けるのもいいけど、分けられないものがこの世にはたくさんある。写真は、そんな名もなき空間と時間を名もなきままに閉じ込める。僕は、この世界のありのままを残していきたい。

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