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仕事ができるひとの質問のしかた

質問のしかたで、そのひとがいわゆる「仕事のできるひと」なのかどうかが、だいたいわかる気がする。

仕事ができるひとだからそういう質問のしかたをするのか、そういう質問のしかたをするから、仕事ができるのかは、わからないけれども。

先に言ってしまえば、仕事ができるひとは相手の「状態」ではなく「行動」を聞く。「結論ファースト」とも換言できるかもしれない。

たとえば、仕事のできるひとは「一緒にお昼ご飯を”食べに行き”ませんか?」と聞いてくる。

それに対して、仕事のできないひと(話の便宜上、雑な表現になって申し訳ない)は、まず「あなたは”いまお腹が空いています”か?」と聞いてくる。

要するに、「状態」の確認からコミュニケーションが始まってしまうと、意思疎通を図るのにかかる工数がひとつ増えるのだ。

相手が欲しい情報は、「ぼくと一緒にお昼ご飯を食べに行けるかどうか」であって、「ぼくのお腹が空いているかどうか」ではない。

だからどっちにしろ、ぼくが仕事ができないひとの「お腹が空いていますか?」の質問に答えたところで、その次に「ではお昼ご飯を一緒に食べに行きませんか」という問いを投げかけざるを得ない。

「コミュニケーション自体」がその会話の目的であるならば、こういった迂回はむしろ望ましいものかもしれないけれども、仕事におけるコミュニケーションの目的は、基本的に「決断」だ。

それだったら、最初から「一緒にお昼ご飯を食べに行きませんか?」と聞いたほうがいい。

あと、仕事ができるひとは基本的に忙しい。忙しいひとを仕事ができるひとというのかもしれないけれども。

そうなると、「お腹が空いている状態」と「一緒にお昼を食べに行くという行動」が、必ずしも一致するとは限らない。

お腹は空いてるけれども、しなければならないタスクが膨大にあってお昼なんて食べに行っている場合ではないかもしれないし、他のひととのランチの予定が先に入っているかもしれない。

そんな状況で「お腹は空いていますか?」と聞かれたら、聞かれた側が逡巡せねばならない。

「このひとはぼくの答え如何によって、次にどういったことを聞いてくるのだろうか」「仮に空いていると答えてそれでお昼に誘われた場合、仕事があって外に出る時間がないことを、丁寧に説明しなければならないのだろうか」などなど。

「状態」から入る質問は、必要以上に質問の受け手のリソースを割く。

という気持ちがぜんぶわかるから、逆に仕事ができるひとが質問者側にまわったときは、「決断」に最適化された効率のよいコミュニケーションがとられる。

仕事のできるひとは、相手の「状態」ではなく「行動」を聞く。


復学してから、学術的なことつぶやきがち


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