「芸術は心の最後の砦かも」

カウンセラーや友達、家族等の信頼している人に悩みや過去の辛かった経験を聞いてもらうことは心の健康にプラスです
話しているうちに、問題が整理されたり、気持ちを受け止めてもらえたりすることでストレスが軽減するからです

ただ、話を聴いてもらった結果、相手からネガティブな反応があったりすると、マイナスの影響が出ます

相手からのネガティブな反応が予想されたりして、話すことに抵抗感がある人のために『筆記開示法』という心理療法があります。

筆記開示法は

1日20分ほど落ち着いて1人になれる時間を作り、
「今の私なら向き合える」
と思える過去の辛かったことを書き出してみる
(途中で「思い出すのが辛すぎて無理」と思ったら中止)
これを4日ほど行う
(連日でも、間を開けてもOK)

というものです。

とてもシンプルですが、心身の健康を高める効果があることが多くの心理学者によって実証されています(筆記療法や筆記開示法というキーワードで検索すると論文もたくさん出てきます)

「えー!じゃあ、話せる人がいなくて、しかも辛すぎて書くこともできないときはどうするの?」という声が聞こえてきそうですが、一つ抜け道があります。

芸術等であらわされた空想の世界を利用するのです。
実は、筆記開示法は、自分の経験を書かずに、他者の経験や架空の話について書いても心身の健康を高める効果があります。

これは、自分の経験に向き合うことはできなくても、自分の経験に似た経験について考えることで、心の整理がついたり解決方法が見つかったりするからだと言われています。

そして、このことは書くことだけではなく、話すことにも当てはまります。

自分の問題の代わりに他者の経験や架空の話について話すことで、問題の解決のヒントが得られたり、相手に共感してもらえることで、ストレスが軽減したりします

例えば、ドラマや小説について語りあったり、感想を書いたり、他の人が書いた感想を読んだりしたら、気持ちが上向きになったり、ストレスが軽くなったりした経験はありませんか?
(ネットにいろいろな作品の感想を書いたり読んだりする人がたくさんいるのはそれが心身の健康に良いからです。)

これが芸術が不要不急ではなく、むしろ、今の世の中に必要な理由です。

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