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Branding Book Summary.#005

Branding Book Summary.
by Ken Kona
実績豊富で机上の空論ゼロのブランド戦略家が
片っ端からブランディング本を読んでみた。

#005
『安売りしない会社はどこで努力しているか?』
(村尾隆介 / 大和書房)

2010年発行のこの本。

僕がスターブランド社へ
入社したのが2013年。

僕が前々職時代に
バイブル的に読んでいた本。

:::

まず、読みどころはココ!

この本には仕掛けがあり、
「実物を手に取ってみると分かる」
…のです。

そして、

「カバーを外してみると分かる」
仕掛けもあり。

さらに、

「挿絵を見て気がつくこと」
なんかもあったり。

それから、

「巻末にオマケまで付いている」
というような、

「キンドル損」する本になっています(笑)

・・・からの、
表紙をめくるとそこに書かれている一文。

『値段を下げる前に、
できることはたくさんある。』

:::

はじめてこの本を読んだとき、
この数々の仕掛けと最小の一文。

震えました。

では、まずは当時の僕(スタブラ入社前)が
蛍光ペンで線を引いた箇所をご紹介していきます。

スタブラ入社前とはいっても、
当時100年企業のブランドマネージャーをしていたので
「実践者」として響いた箇所と言えると思います。

まずは、

<プロローグ>
「利益を出すことから逃げない」

・価格は「うちの会社はこんな会社」という、
言葉よりも強烈な社会へのメッセージにもなり得ます。

・「ちょっと高いけど、喜んで支払ってもらえる
会社やお店を目指す」

・大枠で考えると、ビジネスは「誰かの困りごと」を
解消するために存在するものです。

・「競合が気づいていないようなお客さまの困りごとを
会社として解消し続けることができれば、価格競争に
巻き込まれることはない」

・大きな会社と価格で競いたくないのなら、その他の
「大きな会社にできないこと」を徹底していくのが、
小さな会社のすべきことです。

<チャプター1>
「安売りで起こる10の問題」

・価格だけを見て来るお客さまは、また価格で去っていく。

・「ちょっと高くても買っていただける工夫」を重ねる
ことで、はじめてスタッフや会社自体にビジネスの力が
育まれます。

<チャプター2>
「あなたは価値を売っているか?」

・どんな商品やサービスであれ、
お客さまが払った価格以上の、もしくはそれを遥かに
超えた喜び。それが、基本的なところでいう「価値」です。

・安売り以外の部分で、より喜んでいただけることを
考えていく、すなわち価値を上げていくという仕事が
必須です。

・価値という話で興味深いのは、「何を価値と感じるか?」
は人によって違うところです。

・お店の価値を上げる簡単な方法を挙げろと言われたら、
私はきっとこう答えるでしょう。
「お客さまに、ありえないくらい強い関心を持つ」

<チャプター3>
「プライシングのセオリーを忘れる」

・価格は売り手からのメッセージ。
キャッチコピーと同じくらいの威力があると
考えるのがベターです。

・スキミングという手法は、その層に向けて、手が出るか
出ないかくらいの高い値付けをする方法です。

・誰でも迷うことなく買える価格、もしくは無料で新商品や
サービスを投入し、瞬時にマーケットシェアを高める、
ペネトレーションという方法もあります。

・私の経験上、モノが売れない理由の多くは、価格以前に、
単に知られていないから。

・顧客の不安を解消できる会社は、価格とは違う次元で
選ばれる会社になる可能性が高いと思います。

・安売りをしない会社やお店を目指すなら、妥協なき
「こだわり」は、当たり前のことです。
しかし、それは商品やサービスに対してだけでなく、
その魅力を伝えるためのプレゼンテーションの仕方に
対しても、であるべきです。

・とことん心理を考える。購入までのプロセスを研究する。
本当の購買意思決定者を見つけ、リーチする。

・プライシングを上手にこなすためには、心理学の勉強と、
過去の研究からわかった購買に関する法則を知っておく
ことが大切です。

・そして、何よりも社会やお客さまを、ただ見るのではなく、
よく観察すること!

・人は、色づかいやフォント、印刷物のスペースの使い方や
質感、店舗のライティングなどから、「この会社は、
このくらいの価格帯」と、ある程度の判断ができます。

・「アップル」の商品は中国でつくられたものでも、
単に「MADE IN CHINA」とせず、「Designed by
Apple in California.Assembled in China.」
(カリフォルニアのアップルでデザインされ、中国で
組み立てられた)と、表現に工夫をしています。

・オマケや値引きをする前に、「情報をギブする」も、
アイデアとして悪くありません。

・「ラスト10%のツメ」
安売りをしない会社は、十人に一人しか気づかないような
ことにも、いつも一生懸命です。

・値決めで迷ったら、必ずより高い方を選択すること。
それでも喜んでもらえる方法を考えること。

<チャプター4>
「スタイルのある会社になる」

・ここでいう会社の「スタイル」は、会社のビジュアルを
統一する「体裁のテーマ」を指します。

・すべてにおいて、このスタイルづくりを中途半端にしない
ことが、キラリと光る小さな会社になるためには大切です。

・スタイルを持っている会社は、言い換えれば「らしさ」を
持っている会社です。「ただ商売をしている」ではなく、
「らしさ」があるから、ファンが生まれるのです。
お客さま以上のファンがいてくれれば、互いに敬意を払いながら
のビジネスが可能になるので、必然的に値引きや価格交渉が
減っていきます。

・受け手は、会社の印刷物の細かなところからも、
何かしらの印象を得ているものです。

・ビジョンへの矛盾は、「何が印刷されているか?」
だけではなく「何に印刷されているか?」にも見受けられる
ときがあります。

・「たかがスペルミス」ですが、それを見たときに、
人は会社に対して「プロフェッショナリズムの欠落」の
ようなものを感じ、もっといえば「他のことも手を抜いて
いるのではないか?」と疑いが生まれることもゼロではない。

・無料のブログサービスを使って情報発信をしてしまうと、
会社として意図しない広告が入ってしまい、折角の世界観も
台無しです。

・「売れないのは、知られていないから」という話と矛盾を
感じかもしれませんが、短期的なビジネスの成功と、
中長期的なビジネスの成功は異なります。

<チャプター5>
「会社自体のファンを増やす」

・その事業が成り立ったということは、同じような
不便・不満・不安を持っていた人が、世の中にはたくさん
いたということになります。

・会議室では、インパクトやアイキャッチーなことが大事
ということで、よく「つかみ」という言葉が出てきます。
でも、会社自体を、その地域・業界にファンがいっぱいの
ブランドにしていきたかったら、同時に「深み」も必要です。

・「どのくらい本気で、そう考えているか」
「どのくらい、実際にアクションしているか」の度合いと、
会社の広がりには相関性があり、それは明らかに比例しています。

・ブランドプロミスはショートストーリーとは異なり、
会社の約束事だけに「言ってみただけ」では許されなく
なってきます。

・ブランドプロミスの行間に、「自分たちが、他社といかに
違うのか」が垣間見えるようならば上出来です。

・誰かの困りごとを解消すれば、安売りに走らなくてもいい。

・フォーカスブランディングの効果は大きく、ネーミングや
世界観が良ければ、それだけでも、まず「発見されやすさ」
が断然違ってきます。取材対象にもなりやすくなります。

・これだけ情報が飛び交う世の中において、
「発見されやすいこと」は、大変なメリットです。そして、
「専門家」だからこその料金設定をすることも可能かも
しれません。

・どこの会社も「売ること」は、一生懸命考えます。
でも、安売りをしない会社を目指すなら、
「買っていただいた後」のことも同じように、
時間とエネルギーをかけて取り組んでいくべきです。
私は、「ブランドとしてのコミュニケーション」と
いうことで、むしろ「売った後のこと」を、
普段から重視しているくらいです。

・「ライフタイムバリュー」という考え方があります。

・ライフタイムバリューは、言い換えるなら
「一回ではなく、一生での売上を考える」ということです。

・今後もライフスタイルや価値観別で、さらにセグメントの
細分化が進むことが予想される日本の社会。それに伴い、
「みんなのブランド」ではなく、「ある特定のグループに
とってのブランド」が増えることは必須です。
「より細かく」は、避けて通れない道なのかもしれません。

<チャプター6>
「スタッフ力こそ会社の底力」

・究極的にいえば、良い会社とは、やはり
「スタッフがやめない会社」です。

・「見学者が常に絶えないような仕事場を目指す」

・ピザーラの創業者である浅野秀則さんは、旅行や出張に
行くなら、「その街にある一番いいホテルの、一番安い部屋
に泊まることが勉強になる」と話しています。

・学び続ける会社のことを「ラーニングオーガニゼーション」
と呼びますが、そんな雰囲気にチームを導くことができれば、
会社はもっと進化します。

<チャプター7>
「ライフスタイルブランド」構築への挑戦

・私たちは、ライフスタイルそのものを「スタバ」で
買っているんだ。

・「ちょっとだけ高い価格設定」だけど、選ばれる会社。
その成功要因には、お客さまの「ちょっとだけ自慢できること」
があるのかもしれません。

<エピローグ>
「新しい価値を生むという社会貢献」

:::

ここまでが「要約」です。
10年前に引いた線ながら、

ブランド戦略の専門家になった今、
それを読み返してみてもほぼほぼ
引くべき場所に線が引かれています。
(自画自賛・笑)

でも、いま「プロフェッショナル」
としてさらにポイントを絞るとしたら…

「こだわり」
だと思います。

もちろん言わずもがな
「自分のためのこだわり」ではなく
いかに「お客さまにより喜んでいただくか?」
への妥協なきこだわり。

十人に一人しか気づかないような、
「そんなことしてどうなるの?」
と鼻で笑われるようなこと。

それを本書では
「ラスト10%のツメ」と表現されています。

あえて他の言葉で言い換えてみると、
「神は細部に宿る」です。

:::

実際にこの「ラスト10%のツメ」を、
この10年間いたるところでやってきました。

で、実際に一人くらいしか気づかない…
…なので非常に費用対効果が低い(笑)

僕がこの10年意識してやってきたことがあって、
それは「神のひとさじ」(多分僕の造語)です。

料理において(とびきりの)「隠し味」のようなもの。
その会社らしさ、そのお店らしさ、その商品らしさを
一際引き立たせる「抜群な隠し味」。
でもバッチリはまるものってそんなに簡単に思いつく
ものでもありません。

文字通り「降りてきた」とき。

これが実は、僕のところには、
いつも結構早めに降りてきます。

「神のひとさじ」

:::

さらにひとつひとつ、
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