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”夢十夜”の第一夜の為に作った音楽をMP3ダウンロード販売&ストリーミング配信始めました。

背景

この音源を作ったのは遡ること2006年、あれは丁度パリに移る為の段取りをしてる時期だったな…。ちょうどク・ナウカがSPACに合流する直前にテアトル・ガラシとやったコラボ作品「ムネモシュネ」(正確なタイトルは忘れた…)のクリエーションにも音楽チームの一員として参加してた頃だったわ。

当時メジャー配給されたオムニバス映画「ユメ十夜」のプロモーションの一環で、メジャー本編と対になるようなカタチでインディーズの監督により製作された、これまたオムニバス映画「夢十夜 海賊版」の中の「第一夜」の為の音楽を依頼されて作った音源。この夏目漱石の作品はこの依頼以前から好きで「いつかコレの為に音楽作りたいなぁ…」と思っていたのでちょっとした渡りに船状態。

正直な話、この映画自体は成功したんだかコケたんだか分からないし、インディーズ版の方に関する情報は今となっては殆ど出てこない。関係者が「青春の恥部」とか思ってるのだろうかね? 本編がどうであろうと、この作品は自分にとって大切な音源となった事は間違いないです。 なので今回の様な販売や配信をするに至った、と。

内容について

映画や小説の内容に関しては作品自体を読んでもらえばわかるので詳しくは書かないけれど、この音源は小節本編を3部分に分けて、各部分の為に作った。ざっくり言うと、主人公の妻が「100年待ってください…」と言い残して消え去る冒頭場面、主人公が待ち続ける中盤の場面、最後に再び出会う最後の場面、と行った感じ。
作品から感じる湿度の様な皮膚感覚や香りの様なモノ達を音にしてみたかった…という感じです。

音楽的な技法としては、ある意味でミニマル・ミュージック的というか、ジョン・ケージ的というか、アンビエント的というか…な感じ。小さなモチーフがある種の偶然性と共に交わり合う様な曲の作り方をしたのです。

1曲めでは「妻」が霞に消えていくその「霞」の様であり、3曲めでは目を覚まさせてくれる「ユリ」の香りであると共に湿度というか、そういうモノを感じさせてくれるような音世界を作りたかった。
そういう事を「倍音の交わり」の世界に求めたので1曲めと3曲目の弓のロングトーンは一音一音チューニングし直して全て開放弦またはナチュラルハーモニクスで弾いた。その方が倍音が豊かに出て、音も明瞭だと思ったので。

2曲目は、待ち続けるその時間、貰った本編の映像の中では闇の中をひたすら歩くような映像だった記憶があるのだけれど、そういうイメージ。
通常のピチカートは勿論だけれど、それとは別にプリペアードとか特殊奏法とかそういうのが編集によって継ぎ接ぎされつつ入り乱れる感じで使用。どちらかというとミュージックコンクレート的な手法かもね。そういう事で夢の世界特有なシュールな言語を作りたかったのです。

という事で以下からご購入またはご試聴頂けます。

宜しくお願い致します。

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