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データへの向き合い方を変えると、歯科医院での組織づくりがラクになった話

先日、歯科医院での「キャンセル率」についてのオンラインセミナーをさせて頂きました。データへの向き合い方は、この1年半くらいで私の中で大きく変化したことの一つでもありますので少しご紹介します。

データに囚われていた

およそ、1年半くらい前までの私は、データに囚われていた人の一人でした。

データを活用し会議で使用すれば、劇的な成果に繋がっていました。様々な問題点に気付くことができますし、目標に掲げれば私たちのお尻を叩いてくれる存在にもなります。

最短で成長する上で、なくてはならない存在です。しかし、データを活用してファシリテーションを行った歯科医院の組織がすべて上手くいっていたわけではありません。むしろ、最初の方では上手くいかないこともたくさんありました。ですが、データへの向き合い方を変えてから上手くいき始めたと実感しています。


データを「目標」として、数値のみを設定すると疲弊していく

さきほど、数値目標を設定すれば成果が上がると書きました。データから現状を把握し、少し高い1ヶ月後の目標数値を設定してみんなで追いかける。ポテンシャルの高いチームであれば、目標数値を達成するかもしれません。

一見するとすごく良いアプローチを取っているように感じます。短期的に成果を上げないといけないコンサルの方であれば、多くの方がこのやり方を取っているのではないでしょうか。

ですが、問題は少し後にやってきます。

「そろそろ限界じゃないか…」

数値目標を達成できなかった瞬間にチームがこのような空気に包まれ始めます。そしてだんだんと、目標数値が低く設定され始めます。最終的には数値目標を設定すること自体を辞めたくてたまらなくなります。

ではどうすればいいのか?


データは「気づき」を得るために「結果」として使う

1年ほど前にある先生から言われて、私のファシリテーターとしてのあり方を大きく変わるきっかけになった言葉があります。

「私は、数値を向上させるための会議をそこまで重要視していません。
それぞれが行動を行った結果、それらの行動がどうだったのか気付きを得るために数値を使い、その気付きや学びを共有したり、深めたりするために会議を行っています」

これは、私に大きな衝撃を与えました。

私たちは、患者さんやユーザーにとってもっと良いサービスを提供できるようになるために、日々業務改善を行っています。結果として、売上が上がったり、満足度が上がったり、数値が上がっていきます。

数値を目標に立てるときも同じで、数値はあくまでも結果として見る必要があります。改善の状況を主観的に見ているだけではわからないから1つの尺度で数値化して変化をわかりやすくします。

そんなことはわかっていたはずなのですが、あるときに数値を向上させることが目的に変わってしまっていたことに気付きました。その瞬間に目標はノルマと化し、私たちを疲弊させていきます。

どれだけ改善しているの目安として目標数値を設定しよう。日々、業務改善をみんなで進め、1つ1つの改善がどれだけ効果があったのか、なぜ効果があったのか、気付きを得るために数値を使おう。

そうした瞬間から、数値はノルマではなく、気付きや学びを深めるための1つのツールになります。

では数値目標を設定することは悪いことなのか?


数値目標は「ありたい姿」に近づいているかを示すために設定する

また、同じ時期に「OKR」という目標管理方法に出会いました。「OKR」を進めれば進めるほど、先生から聞いた言葉の意味を理解していきました。

OKRの特徴の一つに、

「3ヶ月後にチームの『ありたい姿』として状態目標(オブジェクト)を設定し、そこに近づいているかどうかを示す指標として数値目標(KeyResult)を設定する」

という目標への考え方があります。

つまり、私の「OKR」の活用の仕方では、数値目標はノルマではありません。あくまでも「ありたい姿」へ向かうためにそれぞれが業務改善を進め、どれだけ前に進んでいるのかを確認するために使います。

もし、あまり数字に変化が起きていなければ、

今、行っている行動には効果がないのだろうか?それはなぜだろうか?

と考えます。もし、数字に変化が起きていれば、

今、行っている行動のどこに効果があったのだろうか?それはなぜだろうか?

そのように考えるために使います。

OKRでは数値目標を3つ設定するのですが、プロジェクト終了後の評価の仕方が特徴的で、

1つ達成したら、すごいチーム
2つ達成したら、最高のチーム
3つ達成したり3つとも達成しなかったら、目標設定を誤った

と評価します。

達成しなけばいけないものではなく、チームを挑戦させるためのものです。数値はノルマではないので、たとえ達成しなかったとしても誰かを責めるようなことは一切ありません。

そうではなく、挑戦することを歓迎し、みんなで前に進んでいることを賞賛し合うための仕組みです。

この方法に出会ってから、数値を気付きや学びを深めるためのツールとして、上手く活用するための1つのやり方を行えるようになりました。

OKR自体をもっと知りたい方はこちらを読んでいただけると嬉しいです。

また、

・もっと詳しい導入事例
・うちの組織でも導入するとしたら何から始めたらいいのか

などご興味あればお気軽にご相談ください。

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