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狼の群れと暮らした男。

なんとも衝撃的な1冊を読み終えた。

我らの角幡唯介さんが熱心に紹介されていたので気になっていたが、積読のままなかなか手が伸びずにいた。とあるご縁で、奈良醸造さんのALEANDBOOLSの企画から、茅ヶ崎にブリュワリーを始める予定の方の投稿を拝見し、慌てて読み始めてあっという間に読み終えた。

改めて角幡さんの書評を拝読すると、たびたび出てくる「位相」や「環世界」というキーワードを見て、やはり探検家然とした考察だと舌を巻く。

それでいで、自分は彼とは異なる箇所に影響を受けたので、長くなるが引用したい。

彼らは私たちをもはや同士の捕食動物と認識していないのかもしれない、というのが私の考えである。現代の食事のためー純粋にベジタリアンである人はいわずもがな、炭水化物やジャンクフードが多いー人間の臭いがだんだん被食者となる動物に近くなっているという説はありえる。私たちの行動も被食者に似てきている。私たちの祖先はオオカミやクマやピューマを見ただけで逃げたりはしなかっただろうー

やった!自分は角幡さんとは異なる着眼点を見出したぞ!と8秒ほど浮かれてしまったが、これらも結局は位相や環世界と同じ考察に帰結するのだと納得し、やはり自分は凡人で彼は天才なのだと改めて認識した次第であるw

とはいえ、現代人が口にしているものは自然界で暮らす彼ら(ここではオオカミ)にとっては受け入れ難い異物でしかなく、そのような人工物で生成されているであろう我々を、オオカミのみならず、イノシシやクマが警戒し、危険な存在として攻撃してくるのは当たり前なのだと納得。

彼らの存在を「人間を攻撃してくる害獣」だと決めつけ、排除し駆逐するのはなんという傲慢なのだろうか。読んでいて情けなくなってしまった。とほほである。

角幡さんが大絶賛しているフィールドワークの部分だけではなく、著者の波乱万丈的な人生についての記述も相応の紙幅が充てられており、このように尖った生き方をすると色々苦労するのだなぁと苦笑してしまった。特に恋愛結婚は破綻しやすいようなので、自分には無理であるw

というわけで、犬好き、自然好き、冒険探検好きな人は必読の1冊。それではまた明日にお会いしませう!ciao!!(何故イタリア語?)

読書好きが高じて書くことも好きになりました。Instagramのアカウントは、kentaro7826 です。引き続きよろしくお願い申し上げます。