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成功に必要な条件とは

マルコム・グラッドウェル著「天才!成功する人々の法則」を読んだ。

この本でグラッドウェルは成功者たち(Outliersと呼んでいる)、が成功するに至った外的要因、例えば時代背景・家庭事情・文化背景を考察し、個人の資質に比べてその重要性が想像する以上に大きいことを述べている。

要するにそこそこの能力と圧倒的な運があれば成功できる、というわけだ。

根性や努力すればなんとかなるという考え、あるいは反対に自分には才能がないと諦める姿勢がいかに実際に成功した人、成功できなかった人の実情とかけ離れているか、自分のこれまでの人生がいかに好機に恵まれていたか、自分の目標に辿り着くにはどのような好機に巡り会えれば良いのか、などなど、考えさせられるいい本だった。

一方で、成功が皆が目指すべき絶対的にいいものとして描かれすぎているきらいがあると感じた。

本書ではクリス・ランガンという、アインシュタインに匹敵する知性を持ちながら、家庭環境に恵まれず成功を手にすることができなかった男の話が出てくる。

本書ではビルゲイツや他の成功者と対比する形で、成功とはかけ離れた人生を送る悲しいストーリーとして描写されている。少なくとも本文に彼本人による「自分は不幸だ」や「自分は惨めだ」という発言はない。

何が好機で何が不運だったかというのは当の本人以外には判断できない。実際に何が良かったか、悪かったかなんて後で振り返ってみないと分からないし、振り返っても分からないかもしれない。

結局人生自分がコントールできないことが結果につながることが多いので、結果よりも、今この瞬間を大事にしたいと思った。


P.S. 偶然今読んでいるピーター・ティール著「ゼロトゥワン」の中でグラッドウェルの考えを「グラッドウェル世代の代表的な考えで、努力を過小評価している」と批判している部分がある。努力か運か、という議論は尽きることがなさそうだ。

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