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四国野宿自転車旅

旅のはじまり
0日目 広島県尾道市ー愛媛県今治市
走行距離:69.4㎞

 2021年2月28日、コロナ第3波が落ち着く最中に私は自転車を漕いでいた。降りしきる雪の中愛媛県今治市を出発し、高松市を目指していた。

 今回の旅の経緯は、友人としまなみ海道を自転車で走行しようと計画した。ただ、それだけでは満足できないため、せっかくなので四国を周ろうと決めたのだ。四国は人生で訪れたことのない土地であった。コロナ禍で現地の人の迷惑をかけないようにと考え、野宿をしながら旅をすることにした。しかしながら、2月末の四国でも夜中から明け方にかけてはかなり冷え込む。バックパックにモンベルの寝袋をしまい準備をした。

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1日目 愛媛県今治市ー香川県高松市
走行距離:134km

 旅の1日目は雪が舞う中、夕方頃に高松市に到着した。高松市から小豆島行のフェリーがあり、自転車を載せて乗船をした。小豆島に到着した頃には真っ暗だった。野宿旅の辛いところは、雨風しのげる場所探しだ。当然、土地勘もないため公園やベンチを探す。屋根付きのバス停のベンチを発見し、本日の寝床に決めた。海風が激しく、凍えてきて中々寝付けなかった。あまりの寒さに何度も目が覚めてしまった。朝になり、明るくなってきて身支度を始めた。疲れはほぼ取れなかったが、小豆島観光しようと切り替えた。
 小豆島は実写映画化された「魔女の宅急便」のロケ地である。オリーブ園からの見晴らし、エンジェルロード、世界一狭い海峡の土渕海峡など様々な観光地がある。素晴らしい景色に癒され、小豆島から高松市行のフェリーに乗船をした。

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2日目 香川県高松市ー徳島県徳島市
走行距離:90.9km

 高松行のフェリーが到着すると昼時となった。ご当地グルメの香川うどんを頂き、エネルギーをチャージした。元気になり、高松市を出発した。目指すは徳島県の鳴門市だ。本州では見かけない景色を眺めながら走行するのは楽しい。快晴のため、尚良し。目指していた鳴門海峡に到着した。
 高台から見下ろす鳴門大橋と渦潮の眺めは圧巻だった。世界三大潮流のひとつに数えられる渦潮。ぶつかり合う渦潮は青い海に白色で負けじと表現していた。そろそろ日が暮れる前に、少しでも前を進むべく自転車を漕ぎ始めた。沿岸部は潮風もあり、寒いと判断し、徳島市内を目指した。徳島市に到着する頃には、日が暮れてきており、寝床を探し始めた。公園のベンチを拝借し寝袋を拡げたら寝床の完成。屋根はあるが壁はないため、風はしのげない。文句を言っても仕方はないので、寝袋に包まり就寝。

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3日目 徳島県徳島市ー高知県室戸市
走行距離:130.4km

 野宿した場所がドッグランの近くだったため、犬の鳴き声で目を覚ました。室戸岬のある高知県室戸市を目指した。旅の道中には、お遍路参りする人が休憩できるような小屋が点在していた。野宿するには快適そうである。高知県に突入してからは気候が暖かくなってきた。夕方前に目的地である室戸岬に到着した。
 岬の周辺を散策し、近くに日帰り入浴できる施設のホテル明星があった。この旅初めての入浴で心身ともにリフレッシュできた。さっぱりした気分で野宿できそうな場所を見つけて就寝。

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4日目 高知県室戸市ー高知県須崎市
走行距離:127.8km

 久しぶりに気持ちよく目覚めた。入浴できることの素晴らしさを再認識した。朝焼けが美しく記念に写真を撮影した。
 坂本龍馬が郷土の土佐で最も愛した地の桂浜がある。そこを目指すべく早朝に身支度し、出発した。自転車を漕ぐこと5時間弱で目的に辿り着いた。天候に恵まれ、美しく綺麗な浜だ。日本の偉人が愛した地に訪れると、何とも感慨深い気持ちになった。せっかくなので、坂本龍馬の銅像の前で撮影し、次の目的地のひろめ市場を目指した。
 ひろめ市場に到着すると、コロナ禍にもかかわらず賑わっていた。高知のご当地グルメのカツオのたたきを頂いた。疲れた身体に活力がみなぎってきた。日が暮れるまで時間はあるので、先を目指すことにした。夕暮れ時に辿り着いた街は須崎市であった。野宿に良さげな道の駅を確認したところで、須崎名物鍋焼きラーメンを頂いた。冷え切った身体に沁みる味だ。ご当地グルメを堪能した一日。

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5日目 高知県須崎市ー高知県土佐清水市
走行距離:142.9km

 昨日英気を養い、体力満タンな状態。旅も終盤に差し掛かってきた。四国最南端の地足摺岬を目指すことにした。足摺岬行く途中に四万十川橋を通過する。高低差がキツく足摺岬到着する頃にはヘロヘロだった。四国最南端の地である足摺岬。最果ての地を訪れる度に感慨深い気持ちになる。感傷に浸った後は野宿ポイントまで目指すべく自転車を漕ぎだした。
 ヘンロ小屋第35号土佐清水に辿り着いた。屋根もある小屋で、ここで一晩過ごし体力を回復させた。

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6日目 高知県土佐清水市ー愛媛県八幡浜市
走行距離:135.4km

  旅もそろそろ終盤に差し掛かり、自転車旅の疲れが如実に表れてくる。しかし、前に進まなければ始まることはないし、終わることもない。沿岸部沿いを漕ぎつけると愛媛県の看板が見えた。目的地の八幡浜に到着した。八幡浜名物のちゃんぽんを食べ、3日ぶりの湯あみ。心身共にリフレッシュし野宿スポット探し。良さげな道の駅を発見し就寝した。

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7 日目 愛媛県八幡浜市ー愛媛県伊方町(佐田岬)
走行距離:54.5km

 朝食の海鮮丼を食べ終え、旅の目的地である佐田岬を目指す。実は、伊方町に学部時代の友人が住んでいるのだ。友人はみかん農家として働いている。佐田岬を目指した後に落ち合うことを約束していたのである。伊方町に入るとみかん畑が見えてくる。綺麗なみかん畑を横目に、佐田岬を目指す。傾斜がキツく、自転車で目指す人はほとんどいなかったが、最後の力を振り絞った。
 ついにたどり着いた佐田岬。四国最西端の地であり、九州も目と鼻の先である。一週間の自転車野宿旅が終わりを迎えた。ひとまず無事にゴール出来てホッとした。佐田岬を十分堪能し、友人の自宅を目指した。

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おまけ

 大学を卒業してから会わなかったので、約8年振りの再開を果たした。久しぶりの友人の姿はまさに職人。ちょうど収穫を終え、選別作業とのことで作業体験をさせてもらった。一生懸命仕事してる友人と再会し刺激を得れた。旅の最後に会うことができて感謝。

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旅のおわり

 コロナ禍で大変な時期に自転車旅を敢行した。現地の人に迷惑をなるべく掛けないように野宿を選択した。冬で寒いことよりも、旅で出逢う人との交流がないことのが寂しかった。自転車で眺める景色は新鮮で、美味しいご当地グルメだけでは心を満たすことができなかった。やはり旅は人との繋がりが大切と感じた。それを思えることができただけ良かった。

旅のまとめ
合計走行距離:885.3㎞
所用日数:7日間

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