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「青天を衝け」レビュー⑱ 義理合一

 おばんです(朝読んでいる方は、おはようござりす)。
 せっかくなので、渋沢栄一が主人公の大河ドラマ、「青天を衝け」で気になったところを考察していきたいと思います。
 とは言っても、あらすじなどは他の方々がわかりやすく書いているので、僕が気になったポイントだけ見ていきます。

 今日はちょっと気合入ってます。


両方なければダメなのです

 ようやく(?)、渋沢栄一の思想の真髄に入るシーンがでてきました。義理合一、道徳経済合一節の萌芽とも言える場面です。めずらしく、少し背景を話します。

 当時、社会的センセーションを巻き起こした「尊皇攘夷」運動。その尊皇攘夷思想のサラブレッドともいうべき「水戸天狗党」は、徳川幕府に攘夷の実行を求めるべく、軍事的圧力行動を起こしました。しかし内実は、大義名分をいい事に、地域の住民に乱暴狼藉をはたらいた結果、地域住民の支持を失い、さらに水戸藩内の天狗党の反対勢力や、幕府からの攻撃を受け、完全に孤立しました。そのため、有力な親戚筋の一橋(徳川)慶喜を頼って、京都へ亡命しようとしました。

 ドラマでは、渋沢喜作がその亡命中のみすぼらしい姿の水戸天狗党を目にして、尊王攘夷は絵空事だと確信したようです。結果、一橋慶喜の支援も得られず、ニシン蔵(たぶんタコ部屋よりひどい)に捕縛されたあと、水戸天狗党の主要な人物はことごとく処刑されました。 


 そこで(ドラマで)渋沢栄一が感じたのは、尊皇攘夷思想のサラブレッドである水戸天狗党が、なんであんなにみじめな末路をたどったのか、ということ。尊皇攘夷(あるいは水戸学)の思想・考え方は当時の日本の最先端で、かつ、社会情勢の不安定さもあって、大きな支持を受けていました。


 しかし、尊皇攘夷思想は、社会を変える前に自滅した。なぜか。
 吉沢亮(渋沢栄一)は言います。


 「小四郎様(水戸天狗党のトップ)たちは忠義だけを尊び、懐(経済)を整えることを怠った。両方なければダメなのです。」


 水戸天狗党が人々の支持を失った大きな理由として、地域住民に乱暴狼藉をはたらいた、というのがあるようです。そこで、なぜ乱暴狼藉に至ったかというと、兵隊や支持者を増やすだけ増やして、そのあとの兵隊の食料問題や治安の維持まで考えていなかったから、というのが要素としてあるように思います。

 大義名分は、それを実行し続けるにたる経済的裏付けがないと、実現しない、ということです。

 「論語と算盤」の思想の一端が垣間見えた回で、個人的にとても大満足でした。

 この回は、他にも見どころがあってとても面白かったので、次の記事で続きを書きたいと思います。観たいと思った方は、NHKプラスで。

続きはこちら


大河ドラマとは金輪際関係ないおまけ

 この項は、日本酒好きな方だけお付き合いください。
 先日紹介した、「弥右衛門 純米生にごり」。開栓2日目のレビューです。

↓先日の記事

 上澄み、醪とまぜたもの両方飲みましたが、シュワシュワが衰えていないため、自然発酵の力強さを改めて感じました。米の旨味が増してる気がする。いぎなりうめえ。飲み切りたいが、あと一合分だけ残そう。

 明後日くらいに飲み直すと、だいぶ穏やかになってて風味も変わるかなー。


「青天を衝け」レビュー記事は↓

 自己紹介記事は↓


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