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【#8読書感想文】THINK AGAIN

「考え直す」ことについて考え直す、というテーマで書かれた本。

著者も、本書を考え直しながら執筆したそう。

その過程で、著者が過去に執筆した本(ORIGINALS)で書いたことも訂正したりしていました。

「考え直す」なんてことは、少し考えてみれば当たり前のことであり、非常に重要なこと。

そして、非常に難しく、それゆえに皆やりたがらない。

だからこそ、本書は非常に価値ある本であると僕は思います。

誰もやりたがらないからこそ、日常的にできていたり、周りにそういう人たちがいてくれたのならば、他の人たちより抜きんでることが可能になります。

周りの大切な人に「考え直す」ことを自然に促してあげれば、その人にとって、何事にも代えがたいプレゼントになるのではないかと思います。

読書前予想文

1. 「考え直す」ことがなぜ(できないのか)難しいのか

理由は「固定観念」「アイデンティティの欠損」だと考えられています。

人は経験や知識を積み重ねることで、知らず知らずのうちに固定観念に縛られるようになります。

そうすることで、自尊心が大きく大きくなっていきます。

そんな人たちは、同じ価値観や考え方を持つ人たちで集まるようになります。

それを「集団極性化」といいますが、それにより、固定観念が更に増幅・強化されてしまいます。

そうなってくると、自ら危機感を持たない限り、自分でも他人でも考え直すことは非常に難しくなっていきます。


「アイデンティティの欠損」が起こるのが、主に、怒られているときと考え直そうとしている時ではないかと僕は思います。

メンタルが弱い人であれば、怒られたとき、自分を否定されたわけではないのに、「自分自身を否定された」と思い込み、落ち込んでしまいます。

「考え直す」ときには、怒られた時と同じようなことが起きるのだと思います。

他人に、「考え直したら?」なんて言われたのであれば、今の自分を否定されていると同義であると捉えてもおかしくないと思います。

そんなことをされたら、人によっては強く反発するでしょう。

そうして、さらに固定観念は凝り固まっていきます。


固定観念への対応は、産まれたての赤ちゃん並みに丁寧に優しくしてあげないといけないのだと思います。

2. 「考え直す」ことを身に着けたらどんなところに影響を与えることができるのか

間違いなく、成長し続けることができるでしょう。

叶えたい夢に届く可能性もあるかもしれません。


「知識は常に進化する」

本書に書かれていた言葉です。

これはIT革命が起きたことにより、さらに促進されています。

そのため、僕たちもそれに追随して考え直していかなければいけません。


「老害」なんて言葉が定着しつつありますが、50代60代にもかかわらず、そう呼ばれていない、社会の第一線で活躍されている方も大勢いるのではないかと思います。

そういう方は、「考え直す」ことにより、知識を常にアップデートしているのだと思います。

故に、「考え直す」ことにより、社会の第一線で活躍していけるのではないかと思います。

3. 他人が自然に「考え直す」ことができるように誘導する方法

人の思考モードには種類があって、主に4つの思考モードがあります。

それが、「牧師」「検察官」「政治家」、そして「科学者」。

自分の信念や価値観を説教する「牧師」

相手の話の矛盾点等を指摘する「検察官」

大衆に訴えかける「政治家」

人は主に、「牧師」「検察官」「政治家」の3つの思考モードで活動しています。

そこには、「自分の考えを伝える」ことはあれど、「自分の考えを考え直す」という工程はありません。

自分の考えを考え直すには、「科学者」の思考モードでいる必要があります。

けれども、その思考モードを他者にしてもらうのは中々ハードルが高いです。

けれども、その思考モードに自分からなってもらう方法はあって、それが「傾聴」です。

色んなところで「傾聴」という言葉を耳にするので、どれほど重要なことなのかが分かりますね。

読書感想文

読み始めた当初は、「この本を1週間で読み切る!」とか意気込んでいたものですが、読み終わるまでに1か月程度かかりました。

4倍かかってます…

読み始めた当初は、本当にできると思っていたのですから、人の妄想力というのは末恐ろしいですね…

とはいえ、面白かったしとても勉強になりました。

傾聴の重要性を再認識することができましたし、「考え直す」という行為の難しさや奥深さを学びました。


僕がこの本で一番驚いたのが、「自信のある謙虚さ」という言葉で。

普通は「謙虚さを大切にしなさい」とか「自信満々の人より謙虚でいる人の方が好まれるのよ」とか、そういうふうに「自信」と「謙虚」は対をなすものであると教わってきたのではないかなと思います。

けれども、この本では「自信」と「謙虚」は両立し得るものだと書かれているんです。

これにはめちゃくちゃ驚きました。

けれども、内容を見てみたら納得できたんです。

「自信のある謙虚さ」とは、現在の自分の持つ知識に対して自信を持ち、なおかつ、自分が無知であることも自覚する、ということだそうです。


人は自分で知識を習得すると、まだ知らないことがまだあることを知ります。

例えば、友達と会話していて、「この人は○○が趣味なんだ!」と知ったとします。
けれども、「○○をなぜ好きになったのか」「どういったきっかけでそれを知ったのか」などということは知りません。

どんどん知っていくうちに、自分がそのことに対して無知な部分がまだまだあることを知ります。

それを認めていこうとするのが、「自信のある謙虚さ」です。


知識は常に移ろいゆくものです。

昨日知ったことが、明日には、それが間違っていたことを知ることもあります。

僕自身noteを通して、情報とまでは言えないものの、そういった類のものを発信しています。

そういった立場であるからこそ、そういった「自信のある謙虚さ」や「考え直す」ことについて考え続けていきたいなと思います。

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