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起業4期目を迎えたZ世代社長が「経営者がやってはいけないこと」を6つあげてみる

2023年11月に4期目に突入した、僕と私と株式会社。

先日のnoteでは会社として3期の振り返りをしたのですが、今回は僕と私と株式会社の3期を振り返って感じた「経営者がやってはいけないこと」を整理してみます。

というのも、会社が区切りを迎えるにあたって1年を振り返ると、ぼくわたがこれまでにやってきて良かったことが見えてきた一方で、「あれは良くなかったな」と反省することもあったからです。

今回は、自戒も込めてのnoteになりますが、スタートアップやベンチャー企業経営者の皆さんの参考になれば嬉しいです。

(とはいえ、今は赤字なのでまずは稼ぎたい!という方にはこの記事はおすすめできません。まずは黒字化を目指して、どこにいくらくらいお金をかけていてどれが削れるのか判断するところから始めましょう!)


①苦手(弱み)を無理にやろうとするな

「経営者なら、社内のことは全部できなければならない」

そう思っている経営者の方は、多いのではないでしょうか。実は僕自身もその1人でしたが、最近はやっぱり「餅は餅屋」なのだと痛感しています。

ぼくわたではこの秋から、メンバーへのフィードバック担当者として、マネージャーを設けました。これは、僕がマネジメントが苦手だから。負の感情が伝わりやすいタイプで、ただフィードバックを伝えたつもりが相手を傷つけてしまうことがあります。

逆に、どんなに「ありがとう!」「嬉しい!」と思っていてもその感情が伝わりにくく、相手に感謝が伝わっていなかったというケースも。だから、メンバーの中でも人との接し方に長けた人たちにマネジメントを任せ、僕は他の部分に専念することにしました。

人にはそれぞれ得意・不得意があり、強みを発揮できる環境でお互いが仕事を任せあったほうが、仕事はスムーズにいくのです。

それに、全米心理学会で会長を務めた経験もあるペンシルベニア大学の教授、マーティン・セリグマン氏によると「人生を幸福に生きていくということにスポットを当てるなら、弱点克服よりも強みを活かすほうが、幸福度が上がる」とのこと。これが、経営者も例外ではないのです。

▼マーティン・セリグマン氏についての記事はこちら

②「情」で仕事をするな

前回のnoteで振り返りましたが、3期の間にぼくわたのメンバーは50人を超えました。

2期目の終わりはメンバーが20人でしたが、今に至るまで大きな問題が起きることもなく、メンバーそれぞれが気持ち良い働き方を実践できていると感じています。

しかし、このような組織運営は最初からできていたわけではありません。今でこそ言えることですが、ぼくわたは過去に一度、組織崩壊を起こしかけたことがあります。

頼れるメンバーはいるはずなのに、なぜか一部の人だけががむしゃらに働き、過労状態になっている。メンバー同士はどこか冷めた雰囲気で接し合い、とても仲がいいとは言えない。

この原因は、友達だからこそ起こる「甘え」にあったと考えています。

「仲が良いから許すしかない」「仕事はできないけど、いい人だからな…」と自分の負担を増やしたり、逆に誰かの負担を増やしたりすることで、組織には不公平感が生まれます。

好きな人たちを大切にして働くことは、馴れ合うことでも甘えることでもありません。

「親しき中にも礼儀あり」とはよく言いますが、お互いを大切にしたいと思っているのであれば、互いが仕事人としての自覚を持つ必要があります。

ぼくわたでは、メンバーに対して守ってほしいことを12個のバリューとして伝えていますが、ここには「気持ちのいい仕事を好きな人としたいからこそ、お互いが自律しよう」という想いが込められています。

特に、「メンバー同士が仲の良い組織を作りたい!」と思っている経営者の方は、情に流されやすいと思います。しかし、自分なりの交友関係ルールを設ける、大切にしたい人を改めて考えるなど、一定のラインを設けることが、逆に健全な組織運営に繋がることもあるのです。

③契約書を巻かない仕事をするな

僕と私と株式会社では、受注・発注を問わず、どんな案件でも契約書を巻くようにしています。これはクライアントに限らず、インフルエンサーなどの個人も含みます。

ぼくわたは今期も大小を問わず多くのキャスティング事業やインフルエンサーの方へのインタビュー企画などを行ってきましたが、そのすべての稼働内容を契約書内でしっかりと取り決めてきました。

これは自分と相手を守るためでもあり、上で述べた「情で働く」を防止するためでもあります。

契約書にない内容を「クライアントが好きだから、仕方ないか」と受注したり、逆に「申し訳ないけどこれもやってほしい!」と甘え、疲弊させたりしないためにも、しっかりと委託内容を取り決めて双方が合意することは重要です。

④友だちがいない環境を選ぶな

ここで、余談ベースの話をしましょう。これは僕の今年の反省でもあるのですが、経営者はできる限り友だちが多い場所に滞在するほうが良いと考えています。

僕は今年、ホテル暮らしをやめて大阪に引っ越しました。ぼくわたメンバーをはじめ、友達の多くは東京に住んでいるため、大阪なら仕事に集中できるのではないかと思ったのですが、これが僕にとっては大失敗。

孤独を感じるだけでなく、仕事もなんだか上手くいかなくなってしまいました。僕は友だちとの会話の中で良い企画のアイデアを思いつくタイプなので、企画のタネが生まれにくくなったからだと思います。

そんなわけで、僕は今も大阪に家を借りてはいますが、ほとんどの時間を東京や旅先で過ごしています。長いときは、1ヶ月以上家に帰らないことも。これではお金も時間も無駄ですよね。そろそろ東京に帰る予定です。

⑤「面倒くさいからやらない」をやるな

入社したメンバーの似顔絵イラストを作る、ぼくわたワーケーション、サウナ採用…ぼくわたには、独自の文化がたくさんあります。

このあいだのぼくわた会議では、メンバーにオリジナルタンブラーを送らせていただきました!

このような取り組みやアイデアは、後にニュースとして取り上げられたり、メンバーから「嬉しい」と言ってもらえたりと、やって良かったと思えることばかりです。

しかし、これらはある意味会社の運営にとって「面倒」とも呼べること。「なんでこんなことをするの?」と言われる機会も少なくありません。(実際、メンバーの発言や僕の思いつきから始まったものがほとんどです)

ですが、ぼくわたでは、そんな思いつきから始まった取り組みやアイデアを「まずはやってみる」スタンスをとっています。理由は簡単。やってみなければわからないことを議論しても、却下する理由がないからです。

もちろん、多額のお金が関係する場合は考えますが、ほとんどのことは実行に移されています。例えば今期は、お花見をしながらメンバーたちと交流し、社内の雰囲気やカルチャーを実際に体感していただく「お花見採用」を実施してみました。

ちなみにこれは、業務フローを整備したり、Slackのいらないチャンネルを消したり、Googleドライブを整理したりといった「普段の業務に関わる面倒なこと」にも同じことがいえます。

上で述べた契約書についても「やるデメリットが『面倒くさい』以外にない」ことから締結を徹底しているのです。

面倒なことはとりあえずやってみる。ぜひ試してみてください。

⑥営業をするな

最後に、営業をしないこと

以前のnoteでも反響をいただきましたが、僕たちは過去に一度も営業をしたことがありません。現在僕と私と株式会社で進行中のプロジェクトは、口コミと紹介、リピートだけで動いています。

経営者の方が営業のために日本中を駆け巡っているスタートアップをよく見ますが、営業は経営において、かなりのリソースを使う行為です。

向こうから相談に来てくれる工夫をすることで、経営者の方は他の部分に頭を使うことができますし、既に自分たちの強みを知ってくださっているクライアントと「この案件をより良くするにはどうすれば良いのか?」ベースで話を進めることができます!

営業せずに会社を伸ばす経営術については以下の記事でも紹介していますが、特に今期は著書となる『エモ消費』の出版が営業に大きく影響しました。自分の名刺になるようなモノを作ることで、多くの方にぼくわたの存在を知っていただくことができたのです。

より良い仕事がしたいなら、営業をせずに会社を伸ばす方法を考えられるとベストです。

***

このnoteでは、Z世代経営者の僕が日常生活で感じたことや経営のノウハウを発信しています。今後も経営者やZ世代の皆さんの役に立てる情報をお話したいと考えていますので、ぜひスキやコメントお願いいたします!

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
他にもこんな記事を書いているので、ぜひご覧いただけたら嬉しいです!

※このnoteは個人の見解です。

今瀧健登について

今瀧健登 / Imataki Kent(Twitter:@k_hanarida)

僕と私と株式会社 代表取締役 
日経COMEMO キーオピニオンリーダー
NewsPicks U-30プロピッカー
書籍『エモ消費』『Z世代マーケティング見るだけノート」など

1997年生まれ。SNSネイティブへのマーケティング・企画UXを専門とし、メンズも通えるネイルサロン『KANGOL NAIL』、食べられるお茶『咲茶』、お酒とすごらくを掛け合わせた『ウェイウェイらんど!』などを企画。
Z世代代表として多数のメディアに出演し、"サウナ採用"や地方へのワーケーション制度など、ユニークな働き方を提案するZ世代のコメンテーター。
日経COMEMOではZ目線でnoteを綴り、日経クロストレンドでは、「今瀧健登のZ世代マーケティング」を連載中。

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