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「金」と「藝術」のコミュニケーション

どうも、藝術家のライフコーチ&ビジネスプロデューサー松浦玄侍です。

藝術家というのは世界に新しい視点(パラダイム)を投げかけて、既存認識に疑問を起こさせる存在だと思っています。

新しい問いを投げかけるためには、藝術家自身の哲学が不可欠です。

そして、練り上げた哲学を織り込んだ自己表現を生業にしていくためには、「マネー」との付き合いが不可欠です。

藝術家がいかにして、制作に没頭するためのお金を手に入れていくか?

という点を日夜研究している私ですが、スーパーフラット、ロンサム・カウボーイなどで世界的に有名な藝術家、村上隆さんの「藝術起業論」に超パンチの聞いた一節があったので、ここで紹介しておこうと思いました。

藝術起業論

今回の記事はほとんど、村上さんのこの主張の紹介になりそうです。

村上さんは、日本でのフラストレーションを解決するために、日本を離れてアメリカにわたり、自身の藝術活動で世界的な評価を得ました。

その後に、さらに大きな問題を発見したと言います。

それは

「コミュニケーション」の本質に迫っていくに至る厳然とした「壁」

であったと言います。

人種、環境に由来する同じに見える「人」という種族の、どうしようもない理解できうる限界点。それをあたかも突破可能に見える「マネー」という共通言語なるコミュニケーションツール。
つまり「マネー」の理解でき得ぬ「壁」は、藝術内のドメスティックな問題よりもはるかに本質的で、解決不可能状態なる「人」の業であり、その部分との接触点の検索なしでは現代の藝術足り得ないという道筋を発見してしまったのです。

村上隆:藝術起業論より


そこからこう綴られています。

ダヴィンチもピカソもゴッホもウォーホルも狩野永徳も藤田嗣治も北大路魯山人も黒澤明も宮崎駿も皆、結局は世間との接点である「マネー」をどう自分に引き寄せたり引っ剥がしたりしていくかが、藝術家人生内の大問題であったのです。

村上隆:藝術起業論より


私の解釈では、

「人と人が理解し合えない点」を簡単に超えるツールが「マネー」なのだが、「マネー」を持ってしても理解し得ない、むしろ「マネー」があるからこそ、見なくてもよいとされている「業」の最新部。そこに分け入って、紐解いて、まだ言語化されきっていない「答え」を見出して、鑑賞者に見えるようにすることが藝術である。

ということを言っているのだと思います。

さらに、村上さんは、こう続けます。

藝術は、アートは、「マネー」との関係なくしては進めない。
一瞬たりとも生きながらえない。
なぜならば、藝術は人の業の最新部であり、核心であるからなのです。
しかし、日本ではその事実を突きつけた瞬間、浪花節のこぶしの力で!気合いで!
「金に汚い人間は古来より尊ばれている武士道に反する!」
と目くじらを立てられることもこれまた事実。
よって、問題の本質が見えづらくなってきましたし、その部分を悪用し、藝術の本質的なる文脈を脱臼させたメディアを足場にした「まやかし」も見抜けぬ有様となってしまいました。

村上隆:藝術起業論より

「マネー」が抱いている黒く、見えづらい業の正体を明らかにするためには、「マネー」と付き合いながら、「マネー」そのものを解体していく必要がある。ということだと、私は理解しました。

さらには、こう綴られています。

藝術は人がつくる。人を超えていこうとする藝術は、超えるが故に超人的な行為の集積が必要であり、そのモチベーション、環境をケアし続けるには「マネー」は<なくてもよいもの>ではないのです。
時間も心も兌換できうるに足るきっかけの一つとして、蔑んではいけないツールなのです。

私は藝術を生業とすることに誇りを感じており、後ろめたさなど万分の一もなく、そしてその「マネー」=「金」こそが人間が超人として乗り越える時にでも、へばりつく最後の業である、だから、故に、この業を克服していく方法こそが、真の、現代において、練り上げられるべき「藝術」の本体であると思っているのです。

村上隆:藝術起業論より

「マネー」の正体とは何なのか?

それをつまびらかにして、大衆に開くことこそが真の藝術である。

そういうことを言っているのだと、私は解釈しています。

そして、「マネー」の正体を突き止めるには、マネーを手にする必要がある。

そこから逃げずに向き合い、「マネー」の奥にある、「源泉の正体」を可視化することが、藝術家が果たすべき至高の役割なのだということ。だと思います。

この「藝術起業論」は2018年に書かれたものなので、コロナ禍以前の村上さんの視点になりますから、社会情勢が変わっている現時点(2024.6)ではまた違った意見になり得ている可能性もあります。そこも興味深いですね。

ただ、現時点では、まだ資本が世の中の力を握っている状態ではあるので、藝術家がお金を得て、「業の正体」に向き合い続けていく、という役割は終わってはいないと思います。

引き続き、現代という時において、磨き上げられた哲学を表現する藝術家の支援をするために、

私自身の哲学も磨き上げ、「マネー」に対する本質的な視点も深めて、

「マネー」の奥にあるであろう

「全てを削ぎ落とした美しさ」

を追求していこうと思います。

ではまた!

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