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レビュー【横浜FC vs 横浜F・マリノス】2021.09.25 第30節

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さて今回は、サッカーダイジェストさんの記事で横浜ダービーのプレビューを展開させていただいたので、その試合のレビューをこちらで展開したいと思います。

プレビューはこちら↓

4つの局面「自陣攻撃」「敵陣攻撃」「敵陣守備」「自陣守備」をベースに展開しています。それぞれにおいて、どんな実際の展開だったのかを記していきましょう。

まずはスターティングメンバーからおさらいです。

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ホームの横浜FCは、前節のFC東京戦から5人を変え、ボランチで出ていた瀬古選手を1列前に出し、守備の強化を図りました。過去やっていなかったわけではなく、例えば第27節の柏戦でも瀬古選手はシャドーを務めていましたね。

まずは相手の最大のストロングである攻撃力を(厳密に言えばビルドアップを丁寧に行うからこそ自陣攻撃を)防ぐ役割があったと思います。

一方の横浜FMは、予想通りチアゴ・マルチンス選手がケガから復帰。相方には岩田選手が起用されました。また、喜田選手でなく渡辺選手がボランチで出場し、前線は変えずにきました。

リスクマネジメントやバランスが取れる喜田選手ではなく、前への推進力とバイタルでのクリエイティブさも求めて(厳密に言えば名古屋戦で足りなかったことを補うために)起用したと感じました。

互いに勝ち点1ではダメな状況なので、当然ながら立ち上がりから激しくボールを奪い合う展開となりましたね。

開始14秒でシュートまでいった横浜FCの敵陣での守備はそれまでの試合では見られなかった勢いでした。最初だけかなと思いきや、前半は行く・行かないの判断を伴いながら比較的前に出る守備を選択し、それが奏功して自陣で引きこもるようなシーンも、それまでの試合に比べれば少なかったと思います。

そんな「気持ち」レベルの話ではなく、戦術的にも振り返りましょう。まずは横浜FCの自陣での攻撃vs横浜FMの敵陣での守備です。

横浜FCの自陣での攻撃vs横浜FMの敵陣での守備

2021.09.25 YFC vs YFM YFC自陣攻撃

図内の配置は実際の試合内容ではなく、プレビューで展開させていただいた中身を、今回のスタメンに当てはめただけです。あくまで予想から、どうだったのかを振り返るためです。実際のプレーに関しては、黒枠内の時間と内容で記してありますので、それに沿いながら振り返りたいと思います。

10分には、GKのスベンド・ブローダーセン選手から下で繋ぐのではなくミドルパスを左サイドの武田選手に送り、松尾選手とワンツーのような形でクロスまで至りました。相手が前からプレスをかけてくることは想定していたでしょうから、エウベル選手小池選手の間というのは戦前から話していたと思われます。プレビューで書いたWBとSTによるワンツーでの進入ですね。このシーンはCBからではありませんでしたが、GK→WB→STで再びWBが裏抜けという狙い通りの進入だったと思います。

33分は、マルコス・ジュニオール選手のクロスをキャッチしたブローダーセン選手からスタートしますが、この時は時間をかけ、岩武選手もわざと(?)ソックスを直す仕草をして受ける姿勢を見せず、ロングパントキックを送ります。これは繋がらずしばらく相手ボールになりますが、その30秒後に再び高橋選手がこぼれ球を拾ってGKに返します。今度は10分の時とは逆の右サイドにミドルパスを狙いますが、これはティーラトン選手に渡ってしまいました。あまり右にミドルパスを送るのは得意ではないのかもしれませんね。

それ以降は、なるべくサウロ・ミネイロ選手めがけて蹴ることが増えました。彼のキープ力に頼った形ですが、45+1分や53分でもそれが奏功しましたね。シュートまで至った形もできました。横浜FMからすれば、なかなか敵陣で合わせて奪うというシーンが作れなかったのも、彼らがロングかミドルパスを選択することが多かったからです。

63分はロングボールのファーストで跳ね返し、セカンドは横浜FCに拾われますが、武田選手に対してエウベル選手が詰めて奪い、ショートカウンターを繋げたのは良かったシーンでしょう。ただやはり、トータルで考えれば、横浜FMからすると敵陣で奪うシーンは多く作り出せませんでした。

この局面では横浜FCが繋ぐのか、蹴るのかの判断や、守備で奪った瞬間にどれだけ再回収されないかが大事と記事で展開しましたが、それは達成できていたように見えました。横浜FMからすると、自分たちで繋いで決定機を作りつつ、相手陣で奪ってからショートカウンターでも作る今までの形が、前者しかできなかったのでシュート数も増えなかったですね。

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