ラガーマンが後悔のないラグビー人生を歩むために僕ができること
こんにちは!
パフォーマンスコーチのケンシロウです。
現在、僕はプロラグビー選手を中心にパーソナルトレーニング指導を行っています!
今回のnoteは僕が
・ラグビー選手のパフォーマンスコーチとして活動する理由
・現在のトレーニングへの考え方に至った背景
について書いていきます。
特に僕のトレーニングを受けてみたいや気になっている人はぜひ読んでみてください!
(自分語りが長くなりますが読んでもらえると嬉しいです)
なぜパフォーマンスコーチをやっているのか?
僕がコーチとして活動する理由は
◾️WHY(なぜ)
・後悔ないアスリート人生を歩めるように
というのをVisionに掲げています。
そのために
◾️HOW(どのように)
・伸び代を見つけ、能力を最大化する
・選手寿命を引き伸ばす
◾️WHAT(どうやって)
・動作を変える
・意識を変える
・習慣を変える
・怪我しない身体と動きづくり
・疲れにくい身体と動きづくり
という内容のサポートを行っています。
なぜ
『後悔ないアスリート人生を歩めるように』
という想いに至ったかというと
・練習やトレーニングがなかなか結果やパフォーマンスに繋がらない選手
・代表レベルの選手がケガを理由に3-5年でプロキャリア終える選手
・無理な肉体改造の結果、長所を失い、学生時代がピークの選手
・身体の不調が原因で長期間試合に出れず不完全燃焼で引退する選手
・一定のレベルで伸び悩んで、どうしたらいいか分からない選手
が多くいるということを選手たちと会話したり、リーグワンのチームで働いたりすることで気づいたからです。
僕自身も、間違ったトレーニングと身体づくりによって競技人生でなかなか結果が出せずにラグビーを引退したことを今もすごく後悔しています。
それが最初にトレーニングコーチを目指したきっかけにもなります。
高校での挫折。パフォーマンスコーチを目指すきっかけ。
僕は、高校からラグビーを始めました。
高校3年時にはレギュラーとして高校選抜や花園にも出場しました。
しかし高校でラグビーを引退しました。
引退するときの僕です(別人ですねwwww)
なぜかというと
高校3年間、一生懸命練習やトレーニングをしたにも関わらず、運動能力が徐々に低下し、スポーツパフォーマンスが落ちていったからです。
そして自信を失い、大学レベルでは通用しないと感じ高校でラグビーを辞めてしまいました。
(中学までは足も速く、いろんなスポーツが得意だったので、運動神経が良いと思ってました。)
今でも大学や上のレベルでも本気でラグビーをやりたかったなという後悔があります。
そして今の身体やトレーニングの知識が少しでもあれば違う人生があったんじゃないかな。とも考えます。
トレーニングや練習をしているのになぜか下手くそになる日々
高校生のときは自分の能力が下がっていく理由が分かりませんでしたが、今はなぜそのようになってしまったのかがよく分かります。
・主な原因は
計画性のない無理な増量
目的のないトレーニング
の2つです。
計画性のない無理な増量
高校入学前に身長170㎝体重66㎏でしたが、ポジションが変わりフッカーで試合に出場するために無理な増量をし、高3の引退時には92㎏ありました。
増量法はとにかく練習をして、それを上回るカロリーを食べる!内容は気にせずにとにかく食べる!というものです。
3年間で66㎏→92㎏(+26kg)
※身長はほぼ伸びていません。
正確には測れていませんが栄養の知識も乏しかったため、体脂肪は30%越えてたでしょう。。。。(上記写真の通りかなり太っています)
3年間で26㎏頑張って増やしました。しかし残念ながらパフォーマンスは低下しました。
パフォーマンスが下がった理由を専門的に説明すると、
急激な増量は、ボディスキーマ(身体図式)がズレてしまったことが大きな原因です。
ボディスキーマがズレてしまうと、
自分の頭でのイメージと実際の身体の位置がズレてしまうため、身体の操作が下手になっていきます。
実際に身体のサイズ感に認識のズレが起きていたので、自分の身幅が分からず、肩などをよく壁にぶつけるようになりました。
このズレによって怪我をするリスクが大幅に上がります。
※そのため急激な増量はお勧めできません。増量する場合は、年間で5キロ程度をおすすめします。
コンタクトスポーツでは体重が多い方が有利と考えられますが、
ラグビーではスプリント、ステップ、切り返し動作などコンタクト以外に重要な要素が多く求められます。脂肪量が増えるほど、これらの動きは悪くなってしまうので、パフォーマンス全体で考えれば能力が低下していきます。
操縦しにくい身体になると、スポーツでは大きなハンデを持つことを体感しました。
目的が明確ではないトレーニング
高校時代からウエイトトレーニングを行っていましたが。。。
トレーニング内容や目的が明確ではなく、
先輩から教えてもらったフォームで追い込んで潰れるまでやるという感じでした。
(そのため専門的な知識はほぼゼロでトレーニングをしていました。12レップが筋肥大するらしい。くらいの知識です)
時代的にまだインターネットやYouTubeが盛んではなかったのでトレーニング情報を集めるのが難しい時代でした。
腕や胸、僧帽筋、前腿には筋肉はどんどんついていき太くましたが、身体のバランスは崩れていきました。
崩れた身体とフォームで筋トレを繰り返すことで、
力み癖や可動域が狭くなったりと多くの動作エラーが出るようになりました。
とにかく数値だけにこだわった無謀な身体づくりをした結果
・計画性のない無謀な増量
・目的が明確でないトレーニング
この2つが合わさった結果、
体脂肪量が過度に増え、ボディスキーマがズレ、
アライメントが崩れた身体は
運動パフォーマンスを大きく低下させました。
また幸い大きなケガはしませんでしたが、常に身体は不調だらけでした。
腰痛やシンスプリントのような脛の痛みなど慢性的な障害にも悩まされました。
身体の調子がいいという日は1日もありませんでした。
このような経験から
なぜ運動が下手になったのに疑問を持ち、
正しい身体づくりや運動が上手くなる方法を学びたいと思い、スポーツ学科のある大学で学ぶことになりました。
筋肉こそ正義だと考え、筋トレに励む大学時代
大学時代の僕がこちらですwww
高校卒業後は、太った身体が嫌でダイエットをし、3ヶ月で高校入学前の67kgまで戻しました(そのときは毎日10km走って、主食が豆腐と納豆でした)
そして改めて身体づくりを1からやり直した結果
・体重84kg
・ベンチプレス140kg
・デッドリフト210kg
・フルスクワット170kg
BIG3 TOTAL520kg
高校時代の失敗の経験から、
正しく身体を鍛えて、フィジカルが強くなれば圧倒できる!
と考えた僕はウエイトトレーニングについて勉強し実践を繰り返しました。
この頃は筋量が増えて、重いものが持ち上げられるほど強くなると信じていました。
クラブチームでラグビーを再開(大学時代)
高校でラグビーを辞めたあとも、ラグビーに心残りがあり社会人クラブでラグビーを再開しました。
筋トレしまくって、体つきは変わりパワーも向上しました。
その結果、タックルやコンタクトは多少強くなりました。そして身体が大きくなったことでプレーに自信が出ました!
しかし思ってた以上の結果は得られませんでした。
筋肉は膨大に増えましたが、常に腰痛があり、200kgのデッドリフト中に肉離れしたり、頻繁にぎっくり腰をしたり、筋肉は多いけどケガしやすい、関節が弱いという状態になり。。。
その経験で、ただ単に身体を大きくする、筋力を高めるだけのトレーニングでは不十分だということが経験ベースで分かり、
パフォーマンスアップするためには幅広くトレーニングについて学ぶ必要があると考えるようになりました。
その後、ピラティスやムーブメントなど身体の動かし方やコンディショニングを学んで、現在のトレーニングの指導法になりました。
プロの世界を肌で感じて
リーグワンのSCコーチの経験やラグビー選手のパーソナルトレーニングを担っていく中で感じたことはラグビー選手の
『伸び代』
でした。
ラグビー選手はラグビーが上手いだけ
(↑とても失礼な表現になってしまい、すみません。。。)
ラグビー選手はラグビーはすごく上手いですが、身体の使い方は下手
な人が多いと感じています。
身体の使い方が下手な選手でも、
・鍛えたフィジカルの強さ
・ラグビースキルの高さ
でプロの世界で戦えている人がたくさんいます。
この成功体験によって、
スキルもしくはフィジカルのトレーニングをすれば試合に勝てるようになると信じている選手やコーチが非常に多いです。
フィジカルとスキルはパフォーマンスに重要なファクターでもありますが、完全ではありません。
またスキルとフィジカルに頼っている選手は
・一定のレベルで伸び悩む
・大怪我をしやすい
・慢性的な痛みをもっている
傾向があります。
ここで重要なのが
『身体操作』
です。
日本と世界を比べて
オールブラックスなど世界のトップのチームは、日本人ラグビー選手に比べて運動神経が良い傾向にあります。
なぜかと言うと、ニュージーランドのようにラグビーが国技の場合は、多くの国民がオールブラックスを目指してラグビーをしています。
その結果、オールブラックスは、ニュージーランド人のスポーツエリートのピラミッドの頂点の人たちで構成されています。
これに比べてラグビーは日本ではマイナースポーツです。
野球、サッカー、バスケ、バレーなどたくさんの選択肢が多くあるため分散されます。
そのため日本代表はオールブラックスのようなスポーツエリートではありません。
このように抜群の身体能力を活かしてプレーできるのがオールブラックスの1つの特徴でもあります。
日本代表は努力の雑草軍団
私の考えでは、
オールブラックス=エリート集団
日本代表=雑草軍団
だと思っています。
日本の選手はスーパーエリートではないが、努力と練習量によって世界と戦うフィジカルの強さ、ラグビーのスキルの高さを身につけています。
しかし、身体操作=運動神経の要素でもう一つ勝ち切れていないと感じています。
そのため『身体操作』を鍛えることで世界と戦える選手になれるというのが僕の考えです。
本当に日本代表選手はフィジカルが弱いのか。
先週(2024年6月22日)の日本代表選手VSイングランド代表戦で、日本代表は敗れてしまいました。
そこで世間の声で多く出たのは、『日本代表はフィジカルが弱い』です。
フィジカルとは一体なんなのか?
日本代表選手は海外選手に体格やフィジカルで劣っているでしょうか。
僕はそうは思いません。
ウエイトトレーニングの数値やブロンコテスト(持久力)などに大きな差はありません。
むしろ日本の選手が優れている場合もあります。
(世界的に有名なプレーヤーが最大筋力やフィジカルテストの結果がリーグワンの平均値と同じくらいということは多々あることです)
日本の選手のフィジカルが弱いといわれる原因は他にあります。
その原因は
効率のよい動き=『身体操作』
がうまくできていないということです。
力みや代償動作が起きてしまうと、エネルギー効率が悪くなったり、疲労やケガの原因になります。
例えば、本来30%の力でできる動きを60%ぐらいの力を使って行ってしまうと、過剰なエネルギーを使っているためすぐに疲れてしまいます。
また、力の方向性や身体の動きのタイミングを合わせることで、ターゲットに効率よく力を伝える連動性を鍛えることで
全身で大きなパワーを生み出せたり
エネルギー効率が高まり動き続けることが可能になります。
『身体操作』を向上させることが、日本人ラガーマンが世界で戦えるようになるための重要なファクターになると信じています。
『努力という怠け』
ウエイトトレーニングはきつい。
だけど一生懸命やれば身体は大きくなる、結果も数字として現れる。
しかし、その結果で努力した気になっていませんか?
ウエイトトレーニングの目的がいつの間にか数値を伸ばすことに変わっていませんか。
ケガしないため、当たり負けないためにある一定以上のフィジカルは必須ですが、
ベンチプレス180kgから200kg自己ベストを伸ばしたところでパフォーマンスが大きく変化するとはあまり考えられません。
しかし、このようなトレーニングにたくさんの時間をかけて努力した気になっている選手も多くいます。
がむしゃらに頑張ることは何も考える必要がないのでラクです。
本来の努力とは試合に勝つため、試合で活躍するために必要な要素を分析して、その要素を改善していくことです。
勝つために必要な努力(トレーニング)をしっかり選択できているか、常に考えることが大切です。
身体操作は数値化しにくい
身体操作やパフォーマンスの向上を数値化して計測するのがまだまだ難しのが現状です。
そのため、なかなか一般化がしにくく、スポーツ現場での指導は難しい。
また指導者は、数値化されていて管理しやすいウエイトトレーニングやフィットネステストの結果を評価として使用するため、選手もその基準を目指してトレーニングしてしまう。
基準はとても大事である。
しかしさらに上のレベルで戦うためには、
数値化されない感覚的な部分を追い求める必要がある。
今後も引き続きラガーマンに身体操作を伝えながらも、身体操作について言語化、数値化を高めていくことで
怪我なく才能が開花し、満足いくまでラグビーを続けられる選手
を増やしていきます!
PS.僕は筋トレ否定派ではありません。身体がまだできていない学生や、まだ筋トレに力を入れていないアスリートにとって、土台を作るために筋トレは非常に大切だと考えいます。
トレーニングについて気になる方は
・インスタグラム
コンディショニングやムーブメントのトレーニング方法や考え方については僕の公式インスタグラムから見ることができます
https://www.instagram.com/kenshiro_kamada
・トレーニングの体験
トレーニングの無料体験を行っています!
こちらのLINEから『noteを見た』と書いてメッセージを送ってください!
気軽にご相談ください!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?