ヘッドコーチ辞任のお知らせ。
こんにちは、松並です。
2018年シーズンをもって、東京学芸大学アメリカンフットボール部SNAILSのヘッドコーチを退任致しましたことを、ここにご報告いたします。
noteに書くのは初なので、「おまえ、誰やねん」という方が多いかもと思い、今回は簡単な自己紹介からはじめます。
自己紹介
松並 憲生(まつなみ けんせい)といいます。
1984年熊本県出身。小・中・高校と野球漬けの毎日。
「日本の野球はもっと合理的なやり方があるはず。それを見つけるために大学で学び、いつか指導者として甲子園に行く」なんてことを夢見ながら大学進学を機に上京し、教育学部でスポーツ医学とスポーツマネジメントを学ぶが、色々あって教員にはならずリクルートHRマーケティング(現・リクルートジョブズ)に入社。都内で中途・アルバイト求人広告の営業として飛込みまくり、だいたい毎月社内表彰される日々を3年弱過ごす。
その後、広告×飲食事業を展開するベンチャー企業のなんでも屋を経て、博報堂ビジネスアーツ局というところで大手ファストフードブランドのTVCM・グラフィック・Webまわり・販促キャンペーン等のディレクション、総合PR会社ベクトルではPRコンサルタントを経て人事採用部門の立ち上げを経験。新卒・中途採用、採用マーケティング等色々とやってきて、最近はスタートアップでもお仕事しています。(執筆当時)
フットボールコーチという本業
そういう仕事と並行して、継続してきた事がありまして。
東京学芸大学アメリカンフットボール部SNAILSのコーチという仕事です。
2007年8月25日に初めてコーチという立場になり、以降(2010年はお休みしたので)約11年間様々な役割でお世話になりました。
2015年以降は勝敗の総責任者であるヘッドコーチの大任を仰せつかり、就任初年度に関東学生1部リーグ昇格を達成することができました。
以降3年間は本当に本当に色々な事件が起こりましたが、共に闘ってくれた学生諸君・コーチはじめチーム関係者の皆様、多くのファンの皆様、他大学・社会人チーム指導者の皆様、個人的にお世話になっている方々等のご支援により、なんとか役割を全うすることができたのではないかと思っています。
東京学芸大学アメリカンフットボール部SNAILS
教育学部のみの国立単科大学である東京学芸大学のアメリカンフットボール部です。東京学芸大学には「体育会」というものが存在しないのですが、他の大学で言うところの体育会運動部です。
国立大学なので基本的にスポーツ推薦枠はなく(一部の競技はあります)、学生数自体も少ない(1学年約1,000人、うち男子学生は4割程度)ので、選手数と組織力が勝敗のキーファクターとなり得るアメリカンフットボールにおいては相当不利な環境下にあります。マイナースポーツですから、高校以前に競技経験のある新入部員もほぼ皆無です。
そういった条件下で知恵を振り絞りあの手この手を使って、全く逆の恵まれた環境にある私立大学を如何にして打ち破るか?にこそ醍醐味があり、チーム名「SNAILS(=かたつむり)」のように"決して後退することなく、ゆっくりでも着実に前進し続ける"というアイデンティティと、それを体現するフットボールスタイルが多くのファンに愛されている理由ですたぶん。
事実、SNAILSの試合時のスタンドの異常な盛り上がりは良くも悪くも有名です。
御礼と感謝の気持ちを伝えたい
在任中お世話になりましたチーム関係者の皆様はじめ、関東学生アメリカンフットボール連盟の皆様、各大学指導者の皆様、特に早稲田大学BIGBEARSの濱部前監督、京都大学GANGSTERSの西村前監督、東京大学WARRIORSの三沢監督・森ヘッドコーチ、中央大学RACCOONSの庄子前ヘッドコーチ、QB道場の新生道場長・清原コーチ、アメリカンフットボール専門デジタル雑誌「HUDDLE Magazine」編集部の皆様、フットボールプロショップ「ヤマモトスポーツ」堀ノ内様・山本様、メルコーポレーション佐藤社長、カメラマン雄賀多様、山中湖 金八様、他にも挙げればきりがないほど多くの皆様のご支援とご声援を頂きました。
心から感謝しております。
そして何より、私を信じて共に闘ってくれた学生諸君とコーチのみんな、本当にありがとう。
今思い返すと、特にヘッドコーチとして闘ったこの4年間は夢のような時間でした。
私の場合、ヘッドコーチの仕事よりもどちらかというとGM業を(も?)やっていたような気がするのですが…
フルタイムコーチのいない国立大学のアメリカンフットボール部というのは、事業内容(スポーツ)は決まっているけど、経営陣もエースプレーヤーも毎年必ず独立(卒業)していく会社みたいなもので、毎年スタートアップ立ち上げて1年で売却してまた立ち上げて〜ってのを4周経験させてもらえたような感覚です。
<参考>関東学生アメリカンフットボールBIG8 | リーグ編成がもたらすその魅力(QB道場・新生道場長)
きっとコーチングよりも、ビジネスをしていた時間の方が長かったかもしれません。それでも"人に指示されるのが大キライな自由人松並"の性格や思考を理解して、徹底的に放任して頂いた世界の山田監督には感謝してもし切れません。また、あとを託して頂いた石本前ヘッドコーチにもとにかく感謝していて、石本HC体制時にリクルーティングディレクターとか新人育成責任者とかチーム40周年式典事業〜リブランディングプロジェクトマネジャーとか、何でも任せまくってもらえた事で私自身の成長にもつながりましたが、それ以上にチームにとって大きなプラスを生み出せたのではないかと勝手に思っています。
コーチキャリア11年。大学体育会部活動の枠をはみ出しまくって色々やり/ありました。せっかくなので本でも書こうかと思いましたが、まずはこのnoteに数々の教訓や事件を連載していこうと思います。
最近いろいろと騒がしい大学スポーツ界の云々にも一石投じてみようかと。
一石になるかはわからないけど、昨今は「組織の透明化」が"選ばれる組織"の条件になりつつありますし、良いことも悪いこともナレッジ共有した方が国内フットボール界のためにも良いんじゃないかと常々思っていましたので。また、「フットボール界から離れるなよ」という嬉しいご意見もいくつか頂いたので、なにか良いお話を頂ければまた動き出すかもしれません。
今後は経験を生かして、広く国内フットボール界の発展に貢献できたらおもろいなと考えています。
価値あるスポーツを、もっと広めて、正しく知ってもらうための取り組みを、きちんとやりたい人いませんかね。
今後の連載予定
・学生スポーツ指導者はなんのために存在するのか
・クリスマス吉祥寺事件
・コミットメントの重要性
・新たな2人の師
・京都大学遠征
・奇跡には予兆があるらしい
・一度負けたことがあるという財産
・モメンタムフットボール
・大エースを支えたイケメンの話
・負ける気がしない組織
・超一流コーチとの出会い
・問題児たちとの闘争
・松並辞めろ事件
・すごい会議は本当にすごかった話
・業界の常識を破壊したコーチ募集
・フットボール界のためにテレビ出ろ事件
・日米スポーツの違いについて考えた話
・日本の大学スポーツが目指すべき理想形
・学生主体とは何なのか
・脱:キャリアの思考停止のために
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