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Leica M (Typ 262)とPureRAW 2 ①

フルサイズとはいえ暗所に強いとは言えない旧世代デジカメのM (Typ 262)の写真にDxOのPureRAW 2を適用してみた話です。

PureRAWを試してみたい

相変わらずLeica M (Typ 262)での撮影を楽しんでいるのですが、このカメラ、暗所での撮影はあまり強くありません。一応フルサイズのセンサーを搭載したカメラではありますが、2013年発売のM (Typ 240)がベースのカメラということで最新のフルサイズ機とは比ぶべくもありません。自分はISO1600くらいまでは許容範囲かなと思っていますが、ISO3200~ISO6400で撮った写真はかなりノイジーです。(なお、ISO6400が最大。)もう1台愛用しているカメラであるマイクロフォーサーズのPEN-Fと比べればまだちょっと良いかなというくらい。M (Typ 262)の色はとても気に入っていますし大好きなカメラですが、この点だけはM10やM11が羨ましいです。

ということで、一時期話題になっていたノイズ除去のソフトウェアであるDxO PureRAWを使ってみたらもうちょっと気楽に高感度を使えるようにならないかと思い、今更な気もしますが一度試してみました。PureRAWは数ヶ月前にPureRAW 2が発売されており、30日間は無料で使えるデモ版があるので今回はそちらを使ってみます。

PureRAWを試そうとするものの…

意気揚々とダウンロード、インストールをしてM (Typ 262)で撮ったDNGファイルを放り込んでみたのですが、ここで現れたのがカバー画像にもしているこいつです…

いくつか別のファイルで試してみても同じです。PEN-Fで撮った写真は普通にインポートできたので、M (Typ 262)で撮影したファイルはサポートしていないということ??と思い調べてみると、サポートされているカメラとレンズのリストが見つかりました。

ライカのカメラでサポートされているものを調べてみると…

M (Typ 262)が… ありません… なんなら240系はM-Pすらありません。M10系はM10-PだけでなくM10-DやM10-Rもあるのに… Typ 262というマイナー機種ゆえの悲しみがありました…

PureRAWを諦めない

ここで終わってしまうと悲しみが深いので、なんとかして使えないか考えてみました。PureRAWの方ではインポートしようとしたDNGファイルからカメラの情報を取ってきて対応機種以外は弾くように実装していると考えられるので、カメラ情報さえ書き換えられればインポートできちゃうのでは?と思い、DNGのEXIFをいじってみることにしました。

EXIFの編集にはexiftoolを使います。まずはカメラの情報が書き込まれているタグを確認したところ、ModelとUniqueCameraModelというタグに書き込まれているようでした。

❯ exiftool -s ./L1008373.DNG | grep 262
Model                           : LEICA M (Typ 262)
UniqueCameraModel               : LEICA M (Typ 262)

どちらを書き換えれば良いのかわからなかったのでひとまずModelの方から試してみます。

❯ exiftool -Model="LEICA M (Typ 240)" L1008373.DNG
Error: [minor] Error reading value for MakerNotes entry 2 - L1002779.DNG
    0 image files updated
    1 files weren't updated due to errors

なんとexiftoolの方でもエラーが出ます… 調べたところ、MakerNotesのフォーマットはちょいちょいおかしいものを書き込んでいるメーカーがあるようです。ライカは結構ひどいようでちょっと笑いました。

2010-02-20: The Leica S2 maker note format is the MOST idiotic I have seen, and has the following peculiarities:
2013-07-27: Strike that. The most idiotic award now goes to the Leica M (Typ 240), which adds these quirks (firmware 1.1.0.2)
2015-09-03: OK, I give up on Leica. The new Leica S (Typ 007) attains a new level of stupidity by storing the preview image in the JPG file using a completely nonsensical technique (in IFD2 of the EXIF segment, with the data being stored outside the EXIF segment after the JPEG EOI), as well as various other brainless blunders. [@Leica: Try reading the MPF specification.]

https://exiftool.org/idiosyncracies.html#Leica

とりあえずは-mを付ければマイナーな警告やエラーを無視して実行するからそれで良いっぽいのでそうしてみます。

❯ exiftool -m -Model="Leica M (Typ 240)" L1008373.DNG
Warning: Error reading value for MakerNotes entry 2 - L1002779.DNG
    1 image files updated

今度はいけました!そしてEXIFのModelタグを書き換えたDNGファイルをPureRawに突っ込んでみたら無事にインポートができ処理できるようになりました!これでやっとPureRAWを試すことができます。

続く

ということで今回の記事は一旦ここまでになります。次回の記事では実際にM (Typ 262)で撮影した写真にPureRAWを適用した例を確認してみます。


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